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ハリウッド式映画づくりの終わりの始まり 

 
1月2日(金)そのⅠ
■元旦の朝日新聞のトップ記事は「陰るハリウッド」という大見出しで、カネも仕掛けも行き詰まるハリウッド映画の窮状を伝えていた。金融危機はハリウッドをも直撃しており、これまでハリウッドに多額の投資をしてきたフランスの有名投資会社も投資をやめたという。

■「2000万ドル(18億円)クラブ」と呼ばれる高給ギャラのスターをそろえ、最新のデジタル技術を駆使する大仕掛けの映画をつくりつづけたハリウッド。DVDの収入や海外での興行で多額の利益をあげてきたが、金融危機とともに破綻に瀕しているという。
 朝日新聞によれば、90年代半ばから、完成後の儲けを受け取る権利と引き替えにカネを集める手法も使われるようになった。10数本の映画の配給受け取り権を束ねたうえで小口にわけ、「格付け」をとって投資家に売る。これは悪名高いサブプライムローンでとられた「証券化」の仕組みと同じである。

■ハリウッド方式の典型的な成功者として、スピルバーグ監督をあげることができるが、彼の経営するドリムーワークスもインドでの制作にのりだすなど、映画作りの方法を変えざるを得ないところに追い込まれている。
 なにかでちょっと耳にしたのだが、スピルバーグ監督は制作資金の捻出に焦るあまり悪質な詐欺のような「××資金」に、カネをだまし取られたようだ。昨年ハリウッドにいったとき、スピルバーグ監督が母校に寄付した映画施設を見学したことがある。あのときは、まだここまで窮するとはまったく思わなかった。

■「インディージョーンズ」に象徴されるように、ハリウッド映画は、アメリカンコミックや大仕掛けのリメーク版の続編の制作をくりかえし、投資家へのハイリターンを保証してきた。派手なアクションをもりこんだ「大作主義」の映画は、人の心を描くことよりアクションに力をそそぐ。一方、見るほうも映画とは大仕掛けでオーバーアクション、コケ脅かしのストーリー展開で見せるもの、と思い込んできたようだ。アメリカ文化に首までどっぷりつかってしまった人が多い証拠だが、こうした受け手の意識も、今回のアメリカの金融崩壊とともに変わるのではないか。「レッドクリフ」のパート2は興行的にも失敗する、と予言しておこう。

■もちろん、アメリカにも地味ながら人の心のヒダにわけいった佳作がすくなからずある。このブログで絶賛した「哀しみの乾くまで」のような佳作が日本でも公開されているのだが、東京でも単館で上映されただけだ。テレビ等で宣伝しないので、こういう映画の存在さえ知らない人も多い。この傾向があらたまるといいのだが。いや、あらためたい。そのためにも微力を注ぎたいと思っているのだが。
by katorishu | 2009-01-03 01:55 | 映画演劇