コラム


by katorishu
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アスベストの害は今も広く深く浸透しているのではないか

  2月18日(水)
■目の前のビルの解体工事で午前8時から騒音が激しく、ずっと不眠状態がつづいている。夜早く寝て、朝早く起きればいいのだが、長年の習慣で早く寝付くことができない。ここ数日は特に地下の杭などをくだくので、騒音が激しいので……と「お知らせ」が郵便受けにはいっているものの、鬱陶しいことである。

■本日、散歩の途次、工事現場にでている工事の標示を見たところ、「石綿」の専門の取扱業者の名前があった。「石綿」とはアスベストのことである。肺に吸い込むと何十年後かに肺癌になる恐れがある。取り扱い専門家がかかわっているので、問題はないといいたいのだろうが、アスベストは微細であり、周辺の住民はすでにアスベストを吸い込んでいる可能性もある。

■もっとも、いまから数十年後は、いくら長生きの家系であったも、恐らく生きていないので、ぼく個人に限っては問題がないということもできるが。
 アスベスト問題は根が深い。最近、マスメディアもあまりとりあげないが、昭和30年、40年代につくられたスレート瓦などにアスベストを含むものが多く、木造住宅の解体工事などでは、「取り扱い専門家」なども厳密に介在していないであろうし、空に放出されてしまった可能性も否定できない。

■すぐに病気に結びつくわけではなく、長い年月がたたないと「結果」がでないので、危機感は薄い。しかし、日本中にアスベストがらみの建物や工場は無数にあるはずである。最近でこそ十分注意するようになったが、2,30年前まではアスベストが肺癌につながるという警鐘も鳴らされなかったし、すでに空中に飛び散ったアスベストは相当量あるのではないか。今後、「長寿国」日本の長寿に悪い影響をあたえるにちがいない。

■長い時間をかけて醸成されたものは、善悪は別にしてなかなか人の注意をひきにくい。現在、なんの「問題」になっていないことでも、将来的に大問題に発展することも多々あるにちがいない。携帯電話を子供のときから使用している子供や、パソコンに一日8時間以上連日むかっている人(ぼくもその一人)に、今後、思いもかけない障害がもたらされる可能性もある。

■逆に良い面があるかもしれない。いずれにしても、時間をかけて醸成されたものは、ある意味怖いもので慣れてしまい、影響に鈍感になる。蛙を水にいれ下から徐々に熱していくと、水が湯になり熱くなっていくのに鈍感になり、熱いと気づいて飛び出ようとしたときには、すでに湯だってしまっている……とはよく例にだされることである。これに類したことは実に多いはず。よほど心して、冷ややかに、この世を見ていかないと、気づかないうちに「空気」に染まって、判断停止状態になっていることも多そうだ。
by katorishu | 2009-02-18 23:58 | 社会問題