コラム


by katorishu
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「タレント」政治家をつくりだしたのが、テレビの最大の罪?

 3月29日(日)
■テレビには功罪があるが、最大の「罪」はいわゆる「タレント議員」を輩出させたことではないかと思う。大衆的な「人気」が最大の取り柄で、一種の人気投票のようにして選ばれる議員や知事たち。頭の良い官僚がかれらを掌の上で「踊らせる」のは簡単なはずである。

■もちろん、例外はあるが、ほとんどの「タレント議員」はあまり勉強もしていないようだし、知識不足、情報不足である。「ごもっとも、さすが慧眼」などといわれて自分の力で「改革」等が進んでいると錯覚しているムキもあるようだが、大半は官僚の描いたシナリオにそって「踊っている」だけといっていいだろう。

■千葉県の県知事選挙が本日、行われ、俳優の森田健作氏が当選した。いやはや、である。ほかの候補者が立派とはお世辞にもいえないが、「やっぱりタレントの人気は力になる」と多くの政治屋が思いこみ、この傾向に拍車がかかるとしたら、日本はなかなか窮状から脱することはできないだろう。

■本日のサンデー・プロジェクトで郷原元特捜検事が、「小沢問題」について検察の捜査はまったくの失敗であり、おかしいと強調していた。「検察は正義の見方」で「間違わない」というのは、間違いである。人は誰でも間違いを犯すものである。だから、人間的なのである。マスコミは検察のリーク情報を検証しようともせず、垂れ流してきたが、今後、真相がはっきりしてくるだろう。ただ、民主党、小沢氏に大変な打撃をあたえたことは事実で、結果として「政権交代」のチャンスをつぶすことになるかもしれない。これこそ一部「既得権益層」の望むところである。(記者クラブ制度ひとつとってもわかるが、マスメディアも典型的な既得権益層です)

■現状をあまり変えたくない層が、依然として多いようだ。一方、この時期の共産党の「正論」は結果として、政権交代のチャンスをつぶす働きをする。民主党も自民党と大同小異であるという意見があり、たしかに同質の部分もあるが、世襲議員が国会議員の大半をしめる政権党の異常さは、「異常」としてあらためないと。ここに浄化の空気をおくるためには、「毒」をもって「毒」で制さなければダメ、と思うのだが。

■どうもマスメディアの情報に「素直すぎる」人が多すぎる。小沢氏の秘書を逮捕するなら、西松建設がらみの与党議員や秘書にも捜査の手をのばさないと、不公正であり、依然としてこの捜査への疑念が残る。マスメディアの裏側を多少でも知っている者として、一定の距離をもってマスコミ情報を見ていかなければいけないと思うのだが。マスコミ情報には、バイヤスのかかっているものも多い。たんに記者の知識不足からきているものもある。なのに、受け手の側にナイーブというか素直すぎる人が多すぎる。「ナイーブ」とは欧米ではバカということである。

■断っておくが、ぼくは別に民主党支持でもない。いまだかつて支持政党はなし、である。ただ、権力は必ず腐敗するので、ときどきは権力層を交代させることで「浄化」しないと濁り、澱む、と思っている。ネット上では、マスコミから閉め出された「心ある人」の発言もとびかっており、傾聴に値する意見もある。

■郷原元検事の発言をもっとマスコミはとりあげるべきである。この人は信じるにたる人物であり、それが端的に顔に出ている。(ぼくは顔でかなりの程度、人を判断してきたし、それが間違ったということは少ない)鈴木宗男氏も権力を離れてマスコミのバッシングをうけてから、いい顔になった。鳩山由紀夫氏もいい顔になった。

■日本の将来のため、小沢氏は身を捨てる「奇策」を用いるべきと思う。建設業界からあつめた億単位のお金を、「社会的弱者」や「奨学金」「文化・芸術」などに寄付するなどして、「金権体質」への決別を宣言し、与党の「隠れ金権」議員とさしちがえるほどの勇気が欲しい。そうして企業からの献金を廃止し、上限をかぎって個人献金に限ると宣言すれば、芽があるのだが。
 それができなければ、辞任しかないでしょうね。いずれにしても、あと半年が日本の今後の運命を決める正念場となる。与党議員の一部が小沢氏の「金権体質」を批判したりしているが、目くそ鼻くそを笑うとは、こういうケースについていう。
by katorishu | 2009-03-29 23:30 | 社会問題