インターネットの利用数が9000万人を越えたという。今必要なのは「ナローキャスティング」
2009年 04月 06日
■日本のインターネット利用者数(推計値)が初めて9000万人を超え、4人に3人まで普及が進んでいるという(読売新聞ウェブ版)。この数字は総務省が今年1月に実施した通信利用動向調査(2008年末時点が調査対象)でわかったそうで、08年末のネット利用者数(6歳以上)は前年比280万人増の9091万人。総人口(同)に占める利用者の割合も2・3ポイント上昇して75・3%。
■利用端末別(複数回答)では、パソコンからの利用は8255万人と最多で、携帯電話などによる利用が7506万人、ゲーム機やテレビなどからの利用者も567万人に達したという。
急速な普及だが、ただ、日本のネットの利用者数は07年末時点で、米国、中国に次いで3位であり、08年末時点の各国の最新の統計は出そろっていないものの、総務省によると日本は3位か4位程度で、ネットの普及率は10位前後とみられる――。
■人と人とのコミュニュケーションの形がかわってきたということで、当然、対人関係も変質していくにちがいない。情報をとることも簡単になった。受け手や無料に近い値段で、いつでもどこでも、海外情報まで手にいれることができる。「良い時代になった」などと喜んでもいられない。
■ネットは視覚と聴覚の「2覚」しか使用しないが、これは人に備わっている5感のうち2つしかい使わないことで、「動物の一種」としての人間にとって決して良いことではない。とくに脳髄が未発達の幼少年が、視覚、聴覚の2感ばかりにかたよって活用することは、脳の発達になんらかの悪影響をあたえるにちがいない。
■こういう時代だからこそ大切なのは、5感をもって人と接する場である。それを「ナローキャスティング」という。ブロードキャスティングの典型がテレビでありネットである。ブロードは「広く」、キャスティングは「投げる」こと。これに対してナローキャスティングの典型は寄席であり銭湯であり、居酒屋などもこれにはいる。なによりの典型は家庭の茶の間であったのだが。
現在、ナローキャスティングはブロードキャスティングによって駆逐されてしまった。ナローキャスティングは、より人間的であるが、ビジネスの路線にのらない。だからこそ、駆逐され消滅しかかっているが、これを残していかないと、人類はますますへんな方向にいってしまう。