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 鳩山由紀夫、岡田克也両候補の演説を聞いたあと映画「ハゲタカ」を見た

■パスポートが期限切れになっていたので、新規取得の手続きに有楽町までいった。朝の9時前後の山手線に品川駅から乗ったのだが、案外すいていた。この時間はふつうラッシュアワーのはずなのに、座席にすわれた。これも経済停滞の影響であろうか。それはそれとして、10年前のパスポートの写真と本日撮った写真を見比べ、愕然とした。以前は頬がふっくらして若々しかったのだが、今はかなり険しい顔になっている。「苦労」が顔にでているのかな、と思ったりした。真実は加齢故――なのだろうが。

■渋谷の某出版社のうちあわせのあと、東武ホテルにより時間があったので脚本家の早坂暁さんが在室しているかどうかフロントできくと、在室とのことなので電話をいれる。仕事中邪魔をしてしまったかと思ったが、早坂さんは気軽に、今下におりていくから待っていてとのこと。ホテルの前のパーラーで、コーヒーを飲みしばし雑談した。早坂さんはもう30年以上前から東武ホテルを「仕事場」にしており、ずっと部屋を借り続けている。

■今のテレビドラマや文化状況について雑談した。早坂さんの作品についてちょっと話したが、「ぼくは夢千代日記より、花へんろや天下御免のほうが好きなんだよね」と早坂氏。ぼくもそう思っていたので、話が弾んだ。ある世代からある世代への「バトンタッチ」がうまくいっていない、と早坂さんは語っていた。「一種の文化のシンクタンクのようなものが必要なんだよな」「シナリオ教室も、書き方のハウツーを教えるのではなく、もっと深いものを教えなくては。いくらマニュアルを学んでも作家にはなれない」等々。早坂さんの話はいつ聞いても面白く、含蓄がある。一時間ほどがまたたく間に経過した。

■銀座にでて数寄屋橋近くまで歩いていくと、人盛りがしていた。なにかと思ったら、小沢一郎氏の辞任にともなう民主党の党首選挙に立候補した鳩山由紀夫氏と岡田克也氏が宣伝カーの上にたち、なぜ立候補したかについて演説をはじめるところだった。それぞれ15分の持ち時間で熱弁をふるっていた。マスコミのカメラやテレビカメラなどがとりまいていた。どちらが党首になるかわからないが、日本の総理大臣になる可能性の強い二人である。停滞した日本に新しい風をおくりこんでくれるといいのだが。もっとも植草一秀氏のブログによると、両氏のいっていることは似ているが、岡田氏は消費税増税派で自公民政権とあまりかわらないし、そのためマスコミは岡田ヨイショをつづけているという。

■演説を聞いたあと、東宝の試写室で映画「ハゲタカ」のマスコミ試写を見た。NHKで07年、6回連続で放送されたドラマの映画化である。あのドラマは、斬新な映像で、金融という獲物を襲う「ハゲタカ」についてリアルに描いた佳作だった。ドラマの延長線上でつくられた映画である。中国資本による日本の自動車会社買収にまつわる熾烈な金融戦争を描いたもので、大森南朋演ずる鷲頭に、残留孤児3世の劉一華がたたかいを挑む。玉山鉄二のクールな演技は出色であり、どちらかといえば、こちらが主役で見せ場が随所にあった。

■以前、伊丹十三監督の「マルサの女」を見たとき、こういう映画が日本でも作られるようになったと感嘆したが、あの作を思い出した。「マルサの女」のようなコメディタッチではないが、金と人間にまつわる悲劇喜劇を、深くえぐって、最後までひっぱっていく。大友演出の冴えを感じさせる。大友氏とは去年6時間ほどあることで話しあったことがあり、勢いのある演出家だと思った。テレビのフレームよりむしろ映画向きかなと思った。

■普段映画館にあまり足をはこばないサラリーマンが、見にいくのではないか。ダイナミックな画像と効果的な音楽でお客をひきこむ手法は、ハリウッド映画的手法だが、物まねではなく、内容に見合っていた。ラストに鷲頭のいう「人を不幸にさせることが二つある。ひとつはカネがなさすぎること、ひとつはカネがありすぎること」という台詞がきいていた。恋模様がまったくない、というのも、近頃珍しい。6月6日公開とのことだが、おすすめの映画である。
by katorishu | 2009-05-15 23:49 | 映画演劇