コラム


by katorishu
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比較的若い女性の歯医者にかかった

 7月27日(月)
■左下の奥歯のつめものが、先日はがれてしまった。キャラメルを食べていて堅いものが舌にあたったので、なんだと思ったら詰め物がはがれていたのだ。何年前にいれたのか記憶がさだかでない。少なくとも過去10年以内ではない。数ヶ月前から奥歯で堅いものを噛むと痛みを覚えていたのだが、歯医者はどうも苦手なので、そのままにしていたのだが、とれてしまっては行かざるを得ない。

■インターネットで調べたところ、最近は患者から医院への「評価」が記されていたり、コメントが書かれていたりする。本日、かかった歯医者は自宅から徒歩7,8分のところにあり「診療してくれた女医さんがとっても感じがよく、診療も適切で料金も良心的」と誰かが書いていた。そのため、徒歩圏に10近くある歯医者の中から、ここを選んだ。

■渋谷で歯科医院を経営している知人がいるのだが、基本的に保険診療をしないとのことで、「うちは結構高いですよ」と当人からもいわれているので、選択肢の外にある。彼の話だと、保険診療と保険外診療では使う素材も違うし、「ちゃんとした診療を受けるなら」保険外診療でやるべきとのことだ。しかし、それは富裕層にまかしておく。せっかく健康保険にはいり、相応の保険料を払っているのだし、使わない手はない。

■で、近所の「感じが良い」という歯医者にいったのだが、この選択は間違っていなかった。レントゲンなどの設備もととのっていて、てきぱきと処置をし、診療にリズムがある。二回レントゲンをとって初診料こみで4000円ちょっと。それが安いのか高いのか知らないが。そういえば何十年か前、ある歯医者で「領収書なしなら安くしておく」といわれて30万円ほどとられたことがある。当時は保険診療にはいっていない費目であった。今なら100万円ほどか。あのころは「ぼったくり」歯科医が相当数いて、200万、300万とられたという人もいた、と記憶する。こちらもそれだけ払ってなんの痛痒も感じなかったということか。

■数年前、駒沢に住んでいたときかかった歯医者は年配の女性で、こちらが物書きであることを知っていたためもあって、診療しながらのおしゃべりが多かったと記憶する。大変の感じのよい人で、ぼくと年齢も近いので話はあい、ぼくの芝居に友人をさそって見にきてくださったりした。「読者」「観客」としては有り難いのだが。医療も日進月歩である。その医院は住宅街のなかにあって、患者もあまり多くないこともあって、診療機器がお世辞にも新しいとはいえなかった。

■と、ここまで書いて、もしかしてあの年配の歯医者さんがこのブログを読む可能性もある、と思ったりした。ブログというのも、時に厄介なものである。本日、赤坂である方にお会いしたのだが……具体名を記すことはやめておこう。日本の文化状況の悪化などを中心に1時間半ほど意見交換した。文化の土壌を肥やさなくてはという話になると、聞き役のぼくが持論を展開するなどして多くを話してしまう。「ほんとに、今日は面白い話をうかがって、楽しかった」と、相手はお世辞半ばにおっしゃってくださったが。

■今度の衆議院選に東京都の板橋区から民主党推薦で立候補する有田芳生氏など、自分のブログに飲み屋で作家や編集者にあったとか、誰それと一緒に食事をしたとか、いつも具体的に名前を記している。それで苦情をいわれたりすることはないのかどうか。
 自分はいまこんな仕事をやっていますよという「自己顕示」の一方で、PRの意味があるのかもしれない。文筆業の9割以上は「個人零細業者」でもある。時に営業中であることを発信しないと、廃業したと思われかねない。

■アンパンマンの作者である漫画家のやなせたかし氏が、テレビの「徹子の部屋」にでていた。CSの再放送で見たのだが、当年90歳だという。言語明晰で姿勢もすっとしていて若々しい。癌で10回手術をしたというが、元気そのものである。90歳にして今なお現役。「仕事をずっと続けてきたことが元気のもと」といった意味のことを話されていたが、定年のない文筆業者としては、こうありたい、と思ったことだった。
by katorishu | 2009-07-27 21:25