コラム


by katorishu
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インフルエンザ流行で、まず小児患者が増加という危険な兆候

 8月24日(月)
■日本小児科学会(横田俊平会長)は、新型インフルエンザで急性脳症の小児患者発生が続いているとして、意識障害などの疑わしい症状があれば医療機関で速やかに受診するよう国民に呼びかけを始めたという。(医療ニュース&ジャーナル)。
 全国的に流行状態になれば、多数の脳症患者が発生する恐れがあり、同学会は重症患者への対応に万全を期すよう各地域で診療体制の整備に着手したそうだ。

■高熱の後、突然、けいれんが続いたり、意味不明の言動や意識障害を起こしたりするという。体内のウイルスへの免疫反応が激しすぎて脳が腫れたり、血管や臓器が傷ついて発症するらしい。怖いことである。新型インフルエンザというより、はっきり豚インフルエンザといったほうがいいと思うが、これが流行ると国民は踏んだり蹴ったりである。

■本日、発売の週刊東洋経済によると、アマゾンドットコムが、出版界を席巻しつつあり、大手出版社も大変な事態になってきているようだ。背景には、本が売れない現実がある。一方、やはり本日発売の週刊ダイヤモンドは、弁護士の実態を特集している。このところ弁護士の「過剰」がつづいており、金持ちの典型と見られてきた弁護士も、売れる売れないで、光と影が目立ちはじめているという。5人に1人は年収500万円以下――といった記事も記されていた。

■病院などもいつ倒産してもおかしくないところがいくつもあるし、他の業種もおしてしるべし。テレビも典型的な斜陽産業になっており、ドラマ枠など減る一方だ。ぼくが提案した作品も、その枠自体がどうなるかわからない状態なので、様子見である。これまで「いい思い」をしてきたのだから、いい気味だ、などと思っている人がいるかもしれないが、対岸の火事とみていることは出来ない。いずれも、多くにはねかえってくる。

■国民の圧倒的多数を、この「不況」は直撃するのである。アメリカの景気の下落が、底をうったと一部で伝えられたが、どうなるかわからない。先日、ある人から、今年にはいって各種イベントは半分以下に激変したときいた。イラストレーターの仕事なども半分以下に減っており、人によってはまったく仕事がない。つまり、無職と同様である。従ってみんな飲み会などにもいかない。映画館にもいかず、本は図書館で読み買わない。外食もひかえ、不要不急のものはいっさい買わない。

■節約は、従来「美徳」とされてきたのだが、資本主義社会にあっては、過度の節約や過度のケチは、このましいことではない。みんながそういう行動をとるようになったら、経済は縮小し、職を失ったり、収入の激減に見舞われる人が続出する。バブルのときのような過剰な消費も困ったものだが、みんなが萎縮してただ日々「食いつなぐだけ」という社会も歓迎しない。
 それは活力のない社会であり、人々が寛容さをうしない、攻撃的になり、空気は暗くなる。ここはまず、政治の出番である。「既得権益層」をぶちこわすようなダイナミックな政策をとり、チャレンジ精神を発揮できるような空気を醸成するしか道はない。それにしても、民意を問うことをさけ、自分可愛さ(自分だけは落選したくない)で、ずるずると総選挙を引き延ばしてきた政権与党の罪は重い。  
by katorishu | 2009-08-24 21:57 | 社会問題