コラム


by katorishu
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 今の「バラマキ農業政策」では必ずやってくる食料危機に対処できない 

 8月25日(火)
■新型インフルエンザはどうやら流行の危険水域にはいったようだ。総選挙がおわって新政権になれば、多少でも経済回復への期待が生まれるかもしれないが、インフルエンザが流行すれば、その流れも頓挫してしまう。政府や行政当局は全力をあげて拡大防止策をとってほしいものだ。
 仮にかかっても重症にならないよう、日頃から体力の維持につとめるしか、個人としては対策法もない。さいきん、とみに体力に自信がなくなっているので、大流行にもなれば、それで命を落としかねない。

■話はかわるが、地上の人口はすでに過剰で、いずれ100億を超えるだろう。そうなると、当然の結果として食料が不足してくるし、環境も劣化する。旧来の戦争は石油などの天然資源獲得のために起こされた観があるが、これからは食料獲得のための戦争が起きる可能性が強い。そんななか、日本の食料自給率は4割を切っているといわれる。先進国のなかでは最も自給率がひくい。

■ただ、ここにも数字のマジックがある。食料を物価ベースでみた場合とカロリーでみた場合とでは数字がちがう。カロリーベースだと自給率は5割を超えるそうだ。ところが、農水省をはじめ農協などの「既得権益」層は、とにかく食料が足りない足りないと主張しさえすれば、「日本の食を守れ」という掛け声で農業関連の膨大な予算がおりる。そのため、足りない足りないと、毎年のように念仏をとなえるように声高にいっているそうだ。

■農家保護と農協保護があるのだが、これと農業保護とでは、微妙なちがいがある。多くの国民にとって重要なのは、日本の農業の保護である。この観点からいえば、自民党はもちろん民主党が公約でうたっている政策もバラマキであり、長い目でみて農業の保護につながらない。農業は戦後ある種の「アンタッチャブル」の領域であったので、そもそもビジネス論理が働かないのである。文化などと同じで、ビジネス論理が最優先するのも問題だが、かといって効率の悪い今の「農」のありかたは、かなり問題である。このままでは、今後確実にやってくる「食料危機」にうまく対処できない。

■駅近くのミスタードーナッツでコーヒーを飲みながら、そんなことを考えた。ミスタードーナッツはコーヒーがおかわり自由で、店員がいかがですかと何度もいってくるのでつい2杯3杯と飲み過ぎてしまう。
 その前にはいった品川シーサイド駅近くのコーヒー店の客も以前にくらべ数割減っている。会社が終わる午後6時7時代だというのに、がら空きである。みんな広場の喫煙場所でタバコをすったり、無料のベンチで缶コーヒーや水を飲んでいる。これも不景気の影響なのだろう。こちらはコーヒー店を「書斎」がわりに使っているので、客が少ないことはむしろ好ましいのであるが。
by katorishu | 2009-08-26 00:01 | 政治