コラム


by katorishu
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鳩山政権の今後を、長い目で見守りたい

 9月11日(金)
■渋谷で仕事がらみの打ち合わせ2つ。街は相変わらず不景気風が吹いている。麻生政権が解散を先延ばしにし、選挙対策用に場当たり的な補正予算をくんだりしたあと、総選挙で自民がこけにこけた。結果として長期間「政治の空白」がつづいたことになる。この間、日本の劣化に対して、これを防止するための有効な政策がとられていない。大変な経済危機で、さらに「二番底」がくると予想されるのに、この空白は今後、大きな傷となって尾をひくにちがいない。

■鳩山政権が社民党と国民新党とに配慮して、このふたつの「ミニ政党」の党首を大臣に指名するそうだが、このことで民主党政権への評価が相反しているようだ。外交や国防政策で、民主党と社民党とでは距離がありすぎると懸念する声もある。勝者の奢りという誹りをまぬがれるため、鳩山氏としては弱小党に手をさしのべる必要があるのだろう。

■総選挙で壊滅的な大負けを喫した自民党は、当分再生できないであろうし、ここで民主がミニ政党をつきはなしてしまったら、ブレーキのはずれた車になる可能性もある。つまり一党独裁である。時間の浪費を懸念する声もあるが、ここまできたらあまり急いで閣僚を決めると、あとあと禍根をのこす。そのポストにつくに相応しい見識とリーダーシップを発揮できる人材を選んで欲しいものだ。

■小沢一郎氏が結局は「陰で鳩山をあやつる」という意見もあり、昔の小沢氏の言動を思い起こすと、その懸念も残るが、以前のように「独裁的な」権力を行使したら、国民の支持を急速に失うことぐらい、小沢氏はわかっているはずである。長年、権力から距離をおいた位置にいて、学んだことも多いと思いたい。今の日本が直面している困難や危機を回避するには、「豪腕小沢」の力に期待するしかない。それが吉とでるか凶とでるか、わからないが、一度まかせてみる価値はありそうだ。政治は結果論で評価されるので、多くの国民にとってプラスにならない結果になったら、国民は次の選挙で民主党議員を落とす選択をすればいい。ともかく、国民が政権を選ぶ体験をしたのである。この体験を大事に育てていくことが、民主主義を根付かせることにつながる、と思うのだが。

■良かれと思ってやったことが、悪い結果をおよぼす。そういうことは世の中には充ち満ちている。「そんな政策を打ち出したら多くの国民が大変な迷惑をこうむる」といわれる政策を敢えて打ち出したことが、好結果をもたらすことも、過去あり得た。未来のことは、わかることが少なく、わからないことが大半である。そう思って、新しい試みについては、精一杯のエールを送りたいものだ。

■いずれにしても、この1年が日本の将来にとって、極めて重要な時になるにちがいない。ぼくがかかわっている「テレビ業界」にとっても大変重要な時期で、2年後のデジタル化を前にテレビという「ビジネスモデル」が今後も存続できるかどうかの瀬戸際となるだろう。存続するためには、変わらなければならない。まず変わるべきは経営者であり、番組企画の取捨選択をもつプロデューサー等である。現場でじっさいに汗や脂汗、涙をながし 働いている人の声によく耳を傾けることが大切である。
そんな基礎の基礎がわからない「幹部」もいるようだが、そういう幹部が残存している組織は、早晩、自公政権のように壊滅する可能性が強い。
by katorishu | 2009-09-11 23:12 | 政治