コラム


by katorishu
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品川宿場祭り、ちょっと妖しの雰囲気もあった

 9月27日(日)
■品川区の旧東海道周辺は「宿場祭り」でにぎわっていた。フリーマーケットのような露天がでていて、そこを島田に結った女装の男性が歩いていたりして、奇妙な取り合わせにちょっと目をやった。最近、昔の縁日につきものだった「妖しい空気」が減っているので、ややほっとしたが。運河の下流にJALの本社ビルが見える。今にも倒れそうな巨象に二重写しになってくる。宿場まつりに集まった人は善男善女であり、ここだけ見ていれば、世は事もなしなのだが、中小零細企業主はもちろん、非正規社員やフリーの人は、顔がひきつっている人も多い。

■その足で大崎駅近くのゲートウエイまでいき、大空間におかれたテーブルほかで、5時間近く仕事をする。某社の新書企画をほぼ仕上げたのだが、力がはいりすぎて原稿用紙40枚をこえてしまった。「今、なぜこの本が――」という観点をいれて、「仮説」に論理的裏付けができると、企画を通せるのだが、と過日の打合せで新書部長氏は話していた。今の日本の文化の劣化を防ぐ方策について、ぼくなりの「仮説」を提示したのだが、やや牽強付会の点もある。印字して読み直したところ、繰り返しも多く、もう一度整理が必要だと感じた。脳が疲れているようだ。帰路、運河のかたわらでふっと目眩がした。しばらく石の椅子にすわっていると落ち着いた。帰宅して、今度は助成金の申請文をかかねばならず、一方、明日はテレビ大賞の第四次選考会の司会をする必要がある。やれやれである。幸い、かなりおもしろい候補作が2作ほどあって救われたが。

■新書か文庫しか、あまり売れないようだ。自分の書いた原稿が冷蔵されてなかなか日の目を見ないのに、他人の本はよく買う。本日も新書を2冊買った。いずれもそこそこ面白いのだが。亀井静香新大臣の中小企業むけ融資についての「支払い猶予策」にマスコミがこぞって強い批判をしている。本日ちらっと見たサンデー・プロジェクトでも、出演したエコノミストたちが批判していた。亀井氏を擁護していたのはリチャード・クー氏ひとりだった。確かに亀井氏の案は資本主義の根底にかかわることかもしれないが、経済政策の良否はじつは「結果論」でしかない。エコノミストなる人たちの言辞にしたがって政治家が動いて、成功したためしがあったのか。そんな意味の言葉を亀井氏ははいていたが、それに対しては誰もまともに答えられなかった。リチャード・クー氏の意見は傾聴にあたいるすと思った。いずれにしても、「食えない層」の増加は社会を大変不安定にさせる。机上の空論をふりまわす組織に雇われているエコノミスには、中小零細の苦悩などわかりはしない。
by katorishu | 2009-09-28 01:01 | 文化一般