コラム


by katorishu
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政府の経済対策をマスコミが一斉に批判する中、「サンデー毎日」が独自の主張 

 12月8日(火)
■マスコミが政府の経済対策等を一斉にといってよいほど批判するなか、週刊誌の「サンデー毎日」が、評価する論調を展開している。子育て支援の手当を完全実施することは、デフレ回避に役立つと、元大蔵官僚で早稲田大学教授の榊原英資氏のコメントを載せている。榊原氏は民主党の経済政策のブレーンなので、当然、擁護派にまわるのだろう。そういう留保をつけて見るにしても、こういう論があってもいい。

■コンビニで立ち読みしただけなので詳しくはわからないが、マスコミの民主たたきは問題という主張であった。言論は多種多様であるべきで、一斉に同じ論調になってしまうのは感心しない。マスメディアの世論にあたえる影響力は依然として強大だ。内閣支持率にも直接影響をあたえる。鳩山内閣の支持率が低下していると報道されているが、それでも6割近い。微妙な数字である。

■ところで、一口に世論調査政治というが、マスコミの「世論調査」はテレビの視聴率と同じで、あくまで参考程度と受け取るべきだ。数字の過信は禁物である。電話などで突然、現内閣を支持しますか、しませんかと聞かれても、大半の受け手は戸惑うはずである。ぼくも一度電話で世論調査会社から連絡を受けたことがある。20年ほど前のことで詳細は忘れたが、あんなに短い時間に突然聞かれても困るし、適当な受け応えをするだけであったと記憶する。

■しかし、それが「世論調査」の結果としてマスコミに流れ「民意」となる。多くの国民は内閣についてそれほど深く考えていないし、なんとなく印象で善し悪しをいっているはずである。判断を左右するのはマスコミの報道である、と容易に想像できる。最近はインターネットでの情報発信が影響力を強めつつあるが、まだインターネット上の「硬派のブログ」を日常的に読む人は少数派に違いない。

■ぼくがほぼ毎日読むブログに、植草一秀氏と池田信夫氏の二人の経済研究者のブログがある。二人とも毎日ブログを書いており、いずれも日本経済についての分析である。対象的な価値観の持ち主だが、両者を比較して読むことで日本経済の実相がかなりよく見えてくる。マスメディアの「最大公約数」的情報とちがって、「個」の署名入りの解析、分析、意見なので、かなり参考になる。

■物や人の価値を判断するには、前提となる「情報」が必要で、これが一方的であったり、少なすぎると、価値判断は大いに現実からずれる。そのような判断で、たとえば会社を経営していたら、必ず業績低下や倒産に見舞われる。個人レベルでも失敗を重ねるであろうし、友を失うことになる。いかに価値判断の基礎となる「情報」をあつめ、その中から短時間に「砂の中のダイヤ」を見つける類の作業ができるかどうか。そんな能力のあるなしが、今後、社会での「成功者」になれるかなれないかの分かれ目になるに違いない。善し悪し、好き嫌いは別にして、インターネット時代がもたらす「必然」である。
by katorishu | 2009-12-08 23:19 | 政治