コラム


by katorishu
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天皇と中国国家副主席が会見、存在感を増す中国

 12月15日(火)
■天皇陛下と中国の国家副主席と会見する件で、「1ヶ月ルール」に反する「政治利用」だとして旧与党やマスコミを中心に小沢一郎民主党幹事長への批判が起きている。これに対し、小沢氏が内閣は国民から選ばれたものであるし、内閣の決めることが宮内庁の役人の決めたルールに縛られるものではない、といった意味の反論をした。

■結果として中国国家副主席と天皇の会見は実現した。今後日本にとって中国の存在感は大きく、すでに中国抜きの経済など成り立たない。いろいろと問題のある国だが、人口の多いことが今後、最大の強みになっていくだろう。数は力が、依然として政治・経済の分野で最大限の力を発揮する。「小国日本」としては「大国」のアメリカと中国のあいだで、柔軟に、したたかに、戦略的に、身を処していかなければ、生きる道はなくなる。

■天皇と副主席の会見自体はそれなりの意義があったのだろう。政治利用云々については、よくわからないので、意見をいう立場にないが、それとは別に宮内庁という官庁にはどうも距離を感じてしまう。官僚の常で旧套墨守や前例の踏襲が何より大事なのだろうが、「1ヶ月ルール」を強く主張するなら、このルール策定の根拠を示して欲しいものだ。国民の選挙によって選ばれた内閣の指示に、その指示下にあるべき「官僚」が反旗をひるがえし、それが正しいとなると「民主主義のルール」に反することになる。羽毛田長官の発言を擁護するマスコミは、どうもおかしい。

■以下、読売新聞が報じた亀井金融担当大臣の発言を引用しておこう。まっとうな発言である。
天皇陛下と中国の習近平国家副主席との特例的な会見を巡って、亀井金融相は15日の閣議後記者会見で、「陛下は国と国との友好を増進するためにかねてから大変なご尽力、ご努力をされてこられたわけであり、主席になろうかと言われる方とお会いになるというのは当たり前の話。日中両国にとっていいことではないか」と述べた。宮内庁の羽毛田信吾長官が「(天皇陛下の)政治的中立性に懸念が生じる」と発言した点については「政治的かどうかというのは役人が判断する立場ではない。そもそも政治的利用に当たるのか」などと疑問を呈した。(読売新聞12月15日)

■「豪腕」といわれている小沢氏が、影の首相であることは、誰もが認めていることである。週刊誌が鳩山首相の1月辞任説をながしているが、やはり小沢氏が首相になったほうが権力のありかがどこにあるかが明瞭になる。制度疲労を起こした日本の政治を根本的に変えるには、豪腕と胆力が必要である。残念ながら鳩山首相にはその迫力も力も不足している。一説には来年夏の参議院選挙後に小沢総理誕生だという。もう一説に管直人氏の総理ということもいわれだした。誰がなるにしても、経済を「二番底」に落とさないよう願いたいものだ。
by katorishu | 2009-12-15 23:11 | 政治