コラム


by katorishu
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韓国ドラマ『悲しい誘惑』、しみじみとした情感をかもす佳作 

 1月11日(月)
■『韓流ドラマ』とくくってしまうと、また、あれかといった見方をする人も多いかと思う。オーバーアクションで、あざとい作りのドラマ……というのが「常識」になっているが、単発ドラマには佳作も多い。なかなか日本のテレビ局などには紹介されないが、本日たまたまDVDで見たKBS制作の単発ドラマ『悲しい誘惑』は、今の日本のテレビドラマが失っている、しみじみとした情感を伝える佳作で、韓国ドラマの土壌は肥えてきていると実感した。

■金持ちの妻と結婚した中年男と、同じ会社の仕事の出来る有能な青年との「友情」とも「恋」ともつかぬ微妙な感情を描いた作品だ。青年は同性愛者で「男を愛したのではなく、ぼくが愛した人が男性だったのです」と述懐する。全体に静かな、しみじみとした展開で、最近のドラマに氾濫しているオーバーアクションはいっさいない。

■それが、かえって新鮮な情感をかもす。白か黒か善か悪かではなく、フランス映画風の味わいもある「中間色」のドラマといっていいだろう。以前は、日本のテレビドラマにも、こういう静かに問いかける、しみじみとした味わいのドラマもあったのだが、最近、この種のドラマが消えてしまった。残念というより他はない。

■韓国ドラマというと、日本の真似などといって、軽く見ていると、数歩先をこされている――といった事態も起こりうる。こういうドラマ企画を通したKBSに敬意を表したい。一方の日本のテレビ局は……荒涼たる光景がひろがっているといっていいだろう。ごく一部に、これはというドラマも存在するが。
 オーバーアクションで、うるさいばかりのドラマも、ひとつのジャンルとしてあっていいが、『悲しい誘惑』のようなドラマを日本の制作関係者は見習って欲しい、と思ったことだった。
 明日は北京行きで早出というのに、のんびりDVDを見て結局眠るのは深夜になり、数時間の睡眠の模様だ。多分、インターンネットから敢えて離れることになると思う。幸か不幸か、昔のように追われている仕事もないし、北京の空気にどっぷりつかって、中国の映像関係者と情報交換をしてこようと思っている。
by katorishu | 2010-01-12 00:13 | 映画演劇