コラム


by katorishu
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テレビのゴールデン枠で韓国ドラマもいいけれど、文化の土壌の劣化の端的な反映

 4月22日(水)
■このところ、天気がきわめて不安定で、異常にさむかったり、梅雨のような雨つづきだったりで、体調も狂う。本日もまた雨降り。こういう日は鬱陶しいが、自殺する人は晴天の好天気に多いという説がある。天気がよくみんな生き生きとしているように見えると、逆に当人の気持ちが落ち込むのかもしれない。あの人たちに比べて、自分はなんと惨めで、不幸……と思うのかどうか。

■たしかに台風の日などに自殺する人は少ない。台風がやってきているとき、死ぬために線路に立ち入る人はいない。なるほどね。人の心理には外からは伺えないものがある。
 最近、鉄道がよく遅れる。東京の場合に限ってだが、まともに時刻表通りに運行していることのほうが珍しい。車両故障か人身事故が圧倒的に多い。「人が線路に立ち入った」ということは、鉄道自殺を試みたといっていいだろう。

■これも世相なのか。そういえば、昨日、TBSテレビがゴールデン枠で韓国制作の連ドラ『アイリス』の放送を開始した。大変な制作資金を投じた「大作」と銘打って大々的に宣伝している。骨太の内容のようだが、逆に考えればこういう骨太の本格的ドラマは、日本の民放ではもう創れなくなっているということか。今の日本のテレビ制作状況はそうとう悪化している。映画も同様のようだ。漫画原作ものが多くなり、オリジナリティの作品が激減したということと関係するかもしれない。

■オリジナリティのある作品を書ける脚本家が「いなくなった」のではなく、制作サイドの怠慢ないし経費節減から、本当に実力のある脚本家に「頼まなくなった」「頼めなくなった」結果である。今やこの傾向は小説界にもひろがっているといっていいだろう。だからこそ韓国ドラマまでが日本に進出する。アニメもいまや日本は中国などにおいつかれ、追いつかれてしまう形勢だ。文化の土壌の劣化。これにつきる。ところが、政界材のほとんどの指導層が、「文化の土壌」に関心がないか、関心がすくなすぎる。彼等をささえるマスの劣化の端的な反映でもあるのだが。やはり、この国は堕ちるべきところに早く堕ちたほうがいい。
by katorishu | 2010-04-22 14:09 | マスメディア