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テレビドラマは「絶滅危惧種」か

7月8日(水)
■過日、業界関係者と意見交換したのだが、すでにテレビドラマは「絶滅危惧種」になっているといってよい。日々のテレビ欄を見れば一目瞭然だが、ゴールデンアワーにドラマ番組がきわめて少なくなっている。日に2本か3本がいいところだ。20年以上前の新聞の番組欄をみれば、夕方6時代から10時台にかけてドラマ番組オンパレードであることがわかるだろう。たとえば「ドラマのTBS」といわれた(そういう時代があったのですね)TBS1局だけで毎日、3本4本のドラマを放送していた。今は当時と比べると5分の1程度だ。

■民放各局は経済停滞によるスポンサー料の低下で収入ががた減りになった。そのしわ寄せが製作費にいっている。比較的カネのかかるドラマを軒並みへらし、芸人や素人をスタジオによび、どうでもいいことを話させて笑いあう「情報バラエティ」とかで埋め尽くされている。こういう番組もあっていいが、金太郎飴のように、同種の番組を毎日流されては、テレビを見たい気分も薄れるだろう。まともな神経をもっている人なら。(最近は「まともじゃない」人が増えているので、そうでもないという意見があるかもしれない)。いずれにせよ、骨のある番組の減少はそのまま「テレビ離れ」に拍車をかける。

■場当たり的な「しのぎ」で、「テレビの危機」をしのげると思っていたら、大間違いである。テレビ局の幹部諸氏の中には過去の成功体験があるので、どこかに甘い考え方が残っていて、それが新しい事態への対応策の邪魔をする。結果としてNHKが浮上しているが、民放テレビが衰退すれば、受信料制度そのものが問われることになり、NHKとしても安閑としていられない。80年代を中心に数多くのテレビドラマを書いてきた者にとって、現状はまさに「惨状」そのものだ。ぼくの関心はもう次の「ステップ」「プラットフォーム」に移っているので、むしろ冷ややかに眺めているが。「惨状」は天災ではなく、関係者の「人災」である。「脚本重視」。これ以外にテレビドラマが「絶滅危惧種」入りから免れる方策はない、といわせていただく。

■古くて新しいたとえだが、危機はチャンスの時でもある。ウェブ上の新しい表現の場も続々と生まれており、有為の創り手にとっては、かえって発表の場が増えることで、今後、歓迎すべき状況になる可能性も強い。ただ、「口をあけて待っている」のでは、なにも果実を得られない。積極性、創意工夫が、今ほど求められる時はないだろう。

■本日からはじまったビッグサイトでのデジタル・パブリッシングフェアに足を運ぼうと思っていたが、有料のセミナーはすでに満杯のようなので、明日か明後日にいく予定。(今年はiPadなどの発売もあり、大変関心が高いようだ)ぼくも多少の関わりをもっている「NTTプライム・スクウエア」の「Fan+」という新しいタイプのウェブマガジン(アプリ)の展示コーナーもあるとのことなので、会場に足を運ばれた方はぜひのぞいてみてください。世の中は予想外の早さで、一気にこちらに傾斜していく。幸か不幸か、そういう時代にわれわれは生きているのである。
by katorishu | 2010-07-08 13:17 | マスメディア