コラム


by katorishu
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政治の「改革」には、名古屋市長の河村たかし氏のようなドン・キホーテ的果敢さがないと無理

 7月14日(水)
■今日は午前9時から午後5時まで水道工事のため断水だという。水道の水がでないことが、こんなにも不便であるのかと、あらためて実感する。あたり前のものが機能しなくなって、初めてそれがいかに恩恵をもたらしていたか、よくわかる。ところで、栓をひねればいつでも、きれいな水がでて、スイッチひねれば電気がつく――こういう時代がいつまで続くのだろう。地球の人口が増え続け、一方で天然資源が枯渇してくれば、こういう便利さま「過去形」になることもあり得る。

■ぼくが生きているうちはありそうもないが、資源の大量消費文明にブレーキをかけないと、50年後、100年後の人たちにとっては、現代人が「あたり前」としていることが、あたり前ではなくなるかもしれない。「人類が進歩する」など、最近は信じないことにしている。ただ変わっていくだけで、それはもしかして「退歩」かもしれないのである。

■参議院選挙後、政界は混迷の度をふかめており、こんな状況では重要法案がなにも決まらないなと思う。「国民の視点にたった生活重視の民主党」という位置からずれまくって、従来の政権党とかわらない路線にのってしまったかのような内閣。ここに未来はない。本日、振興銀行の前会長の木村剛氏が逮捕されたとニュースで報じていた。小泉改革を主導した竹中平蔵氏の「懐刀」のような存在であった木村氏。この銀行が異様に早く設立されたことの背景や、木村人脈などをあらうことで、さらに大きな「金融事件」が表にでてくるかもしれない。

■政財界には、まだまだ闇の部分も多い。官房機密費の件も、政権交代した民主党が真相を明らかにする絶好の機会であったのに、それをさけた。権力のうまみにありつきたかったのだろうか。どうも政治家諸氏の志が低いという気がしてならない。名古屋市長の河村たかしのような一種「ドン・キホーテ」のような猪突猛進さがないと、本当の意味の「改革」はできない。改革の障害となるのは、ひとえに「既得権益」である。ざっとみて当人の家族もふくめると国民の2,3割がここにあてはまるのではないか。つまり基盤が厚いということである。政治家諸氏に、よほどの英断と胆力、果敢な捨て身の実行力がなければ、本当の意味の改革などできるはずもない。

■それよりなにより、労組代表もふくめて選ばれた政治家の過半が、権益や既得権益層の代表者――なので、自分や自分を支えたバックの権益を減ずるような「改革」を、本気でやるはずもない。日本社会がどうしようもなくなって、少なくとも国民の半分以上が怒りに燃え、やってらんないよと心から思ったとき、忽然と現れる。これはもう一種の「神頼み」に近い。そのくらい日本の前途は暗くかつ危ないということである。
by katorishu | 2010-07-14 13:55 | 政治