カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

『江戸の訴訟』を面白く読む

 7月20日(火)
■暑い。気持ちが悪くなるほど熱いうえに睡眠不足が加わり、脳がうまく働かない。六本木の放送作家協会の事務所に顔をだしたあと本郷の東大へ。研究会に参加。司会役なので脳機能が衰えているとまずいのだが、ま「年の功」でなんとかこなした。日本の「文化土壌」を肥やすことこそ、日本の活性化につながるという持論を「バカのひとつ覚えのように」のべた。

■舌に小さな腫れ物ができて食事をすると痛む。あと一ヶ月ほどはこの酷暑につきあうことになりそうだ。家ではまだクーラーを使用していない。どこまで耐えられるか試してみたい。クーラーなどなかった時代、東京でも住宅地はたいていの家に生け垣があり、庭木も茂って、それが酷暑をやわらげる役割をした。コンクリートで固められた今の都会は昔より酷暑の度合いが強いようだ。と、ここまで書いてきて、力つきた。布団に寝っ転がって本でも読むしかない。岩波新書の『江戸の訴訟』(高橋敏著)という本を大変面白く読了した。もう20年近く前に買った本で、本棚でほこりをかぶっていたのを、たまたま手にとって読み始め、やめられらなくなった。

■富士山のふもとの人口300人ほどの村で起きた殺人事件を江戸の奉行所で裁くことになり、村の名主ほか何人かが江戸にでむく。公事宿にとまり江戸見物をしたりして長期間にわたる裁判に、どう対していったかを、名主が几帳面につけていた日記をもとに丹念に描く。幕末の江戸だが、いまでいう「官官接待」や贈収賄のようなものも慣習として行われていたことが、よくわかる。また当事者の実の兄が公儀の御側用人の重要な家来になっていて、裏でいろいろと活躍する様子も描かれる。士農工商の身分制度ががっちり固まっているようでいて、「百姓身分」の人間が、行政でかなり重要な役回りを担っていたことなども、わかって興味深い。江戸の庶民や農民等が思いの外自由に生きている様子も垣間見ることができた。面白くて時間の経過をわすれる。そんなおすすめの1冊である。
by katorishu | 2010-07-20 23:57 | 新聞・出版