コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

一般電話による「世論調査」とネットでの調査の大きな落差。どっちも世論のはずなのだが

 9月2日(木))
■マスメディアは連日、民主党代表選をとりあげている。地方に軸足をおく小沢一郎氏にたいし管直人氏は都会に軸足をおく。対外政策についても、違いがはっきりしてきた。管直人氏を支持する人は、政治抗争をやっているときではないなどというが、根底には選挙なしでこのまま管総理をつづけてもらいたい、という願いがこもっている。

■もともと予定されていた党首選だし、民主的な手続きとして党首を選挙で選ぶのは当然である。どちらが総理になるかで、今後の日本は大きくかわっていく。管総理続行なら、従来とあまり変わらない「安全策」がとられるだろう。一方、小沢総理なら、日本はかなり変わる。良いように変わるか悪いほうにかわるか、未知数であるが。

■「既得権益層」にはかわらないほうがいいに決まっている。一方、そういうものから排除されている層は変わってほしいと思っているようだ。旧メディアの世論調査は昼間から夕方にかけて無作為で選んだ一般電話に調査会社が電話をしてきく形をとる。自宅にいて一般電話にでる層は、中高年層が多いはず。そのため調査結果は昼間家にいて電話に出られる層の意識を反映している。一方にネット調査があり、こちらは昼間仕事をしているビジネスマンや一般電話などもたない学生などの意識を反映する。

■一般電話での調査だと「総理にふさわしい人」は圧倒的に管直人氏だが、ネット調査だと逆転して圧倒的に小沢氏への評価が高い。たとえばロイター通信のネット調査では、1日午後10時半時点で「小沢6309票にたいし管は6195票」で小沢リード。ライブドアの調査では66・1パーセントが小沢支持。スポニチの公式サイトでは小沢支持が8割。読売新聞のネット調査では76%が小沢の出馬を支持しているという。

■こんなに違いがあるのに、マスメディアの一般電話での調査結果が「世論」であるとして一人歩きしている。マスコミの調査だけが「民意」としてとりあげられ、それが政治を動かしていくというのが日本の現状である。旧来のマスメディアによる「世論調査」が政治を動かしていくと、道を誤ることも多いのだということを、忘れないほうが良い。

■本日は、早朝起きて連載の6回目の原稿を執筆、ようやく終わってメールで送ったあと、午後、北千住での会議へ。そのあと東銀座に。映画に情熱をそそぐ若々しい関係者と1時間半ほど意見交換。対象は国内ではなく「世界」である。「異文化摩擦」がぼくのテーマなので、いろいろアイディアが浮かぶ。ちがった角度からの意見等は大いに参考になる。優秀な人はどの世界にも、少数派ながらいるもので、ややほっとする。
by katorishu | 2010-09-03 01:24 | 政治