コラム


by katorishu
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菅直人氏の「変節」には良識派の田中秀征氏もあきれはてている 

9月9日(木)
■平均株価が9000円割れ寸前である。円高の影響もあるだろうが、日本の政治の無策も影響しているのではないか。政界関係者のなかでは「良識派」で、まっとうなことを話す、元経済企画庁長官の田中秀征氏が、ダイヤモンドオンラインで以下のように菅直人氏の変節を批判している。

■『しかし、何と彼は、鳩山政権下においても全くその努力をしないどころか、自民党よりもひどい官僚主導の方向に転ずる主役となった。それが最後には、参院選前の消費税10%発言になり、自ら志を捨てた姿を明らかにした。菅内閣は、自らを高杉晋作の「奇兵隊」と称して出発した。長年、彼は自民党政権を「霞ヶ関政権」と断定して攻撃の先頭に立った。それなら幕府に挑戦した奇兵隊と言ってもよい。

■ところが、菅奇兵隊は、何といつの間にか“霞ヶ関幕府”を警護する“新撰組”に大変身してしまったのである。私はかつて、これほどひどい政治家の変節を見たことがない。私の期待は失望に変わり、今では絶望を経て、退陣要求に至っている』


■こういう良識派の意見がある一方でマスコミの「世論調査」に影響されて、民主党の党員やサポーター、それに国会議員も、勝ち馬にのろうとばかり、菅直人氏のほうに乗りつつあるようで、現時点で、菅氏が一歩リードしているとか。一方、ウェブ上の世論調査では圧倒的に小沢支持である。管総理に露骨にエールをおくる産経新聞でさえ、ウェブ上では支持率が逆転していることを記事に書き、そのなかでネット上で投票する人は比較的政治に関心が強く、情報ももっている人が多いと記している。

■過日、巣鴨と新橋で通行人30人に対してどこかのメディアが調査をしたところ、高齢者の多い巣鴨では新聞テレビ同様、管支持が70パーセントを超えた。ところが新橋では数字が逆転した。新橋は「サラリーマンの町」といわれるほどサラリーマンの多い町である。現実に働いている現役の人たちが多く、この人たちが今の日本の中核を担っている。今後の日本を担うのも、おそらく彼らであるはずで、その人たちが小沢氏の実行力に期待するしかないと意見表明しているのである。

■菅氏にはなんの恨みもなく、野党として与党を攻撃するときの鋭さには、期待もしていたのだが‥‥。国家戦略局を有名無実にしてしまったし、かつての管氏らしい清心さがまるでない。日本の最高指導者になるという目的を達してしまったので、あとは保身にまわっているのか。いまのところ、管優勢の印象だが、仮に管氏が総理になったとしたら、政権が1年以内に行き詰まるか、あるいは経済、社会、文化あらゆる面で日本は劣化の坂道を転がり落ちていくだろう。この方、文化芸術にまったく関心がないようで、文化の「ぶ」の字もいわない。木や草が芽をだし花を咲かせ実るために必要な「文化という土壌」に、まるで目が届いていないようだ。これは小沢氏にしても同様である。文化の土壌が劣化したら、ろくな芽しか育たず、花もさかず実もならず、国家は衰亡する。歴史の教えるところである。
by katorishu | 2010-09-10 00:58 | 政治