コラム


by katorishu
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フランス映画『ミックマック』を見た

9月13日(月)
■昨日夕方、恵比寿ガーデンシネマでフランス映画『ミックマック』を見た。ヤフーの映画情報には以下の説明がある。
頭に銃弾を受け仕事も家も失った男が、個性的な仲間たちと共に、自分の人生をブチ壊した者たちに仕返しを謀るコメディームービー。『デリカテッセン』『アメリ』などのヒット作を手掛けたジャン=ピエール・ジュネ監督が脚本も兼ね、主演をフランスを代表するコメディアン、ダニー・ブーンが務める。人生を清算しようとする男のドラマをユーモラスかつファンタジックなストーリーで紡ぎ出す名匠の演出が光る。

■恵比寿にきたのだからと入場前に恵比寿ビールをちょっと飲んだこともあって、途中で気持ちがよくなって眠ってしまった。が、つまらなかったわけではない。導入部の映像の卓抜な積み重ね、大胆に削っていく手際など秀逸で、ハリウッド映画とはちがったフランス映画らしい冴えを見せていた。説明を極力おさえ、シーンやカットから大胆に飛ぶのもいい。日本のテレビドラマによくある「説明過多」がいっさいない。それだけ見るものの想像力を刺激し、観客の想像力をも介在させて作品を成立させていく、そんな手法が新鮮であった。

■話そのものは他愛ないエピソードの積み重ねで、ご都合主義の展開だが、リアリズム映画ではなく、風刺コメディなので、気にならない。登場人物の個性が際だち、気軽に楽しめた。ここぞとばかりに「泣かせ」のシーンがはいる「難病もの」とかパターンそのものの「刑事警察もの」、スーパーヒーローが活躍するハリウッド超大作とはちがって、ホームレスになってしまった「はずれ者」たちが、悪徳武器商人を「やっつける」さまが、ユーモラスにかつ卓抜な映像処理で描かれていた。深い感動はないが、気楽に異空間にあそべるエンターテインメントとしておすすめ。東京中でここ1館しか上映されていないようだ。日本の映画の配給システムのせいなのかどうか。文化の豊かさとは、選択の「多様性」にあると思うのだが‥‥。

■終わって界隈でビールに焼き鳥。欧米人の客が多い。30前後と思われる知的で美形の白人女性が、ハードカバーの本を読みながら一人でビールを飲んでいる姿など「絵」になる。こちらはカミサンと一緒なので、屋台店という印象の焼き鳥屋に。隣にきた外国人4人は、ドイツなまりの言葉を話していたが、何語だかわからない。スラブ系の東欧の言葉だと多少わかるところがあるのだが。「どちらから?」と気楽に話しかければ、話が弾む気配もあったが、夜も遅いので、生ビールを1杯半飲んで辞した。気休めにはなったかと思う。
by katorishu | 2010-09-13 13:48 | 映画演劇