コラム


by katorishu
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特捜検事の証拠偽造、第三者の専門家による調査プロジェクト・チームをつくって調べることが必要

 9月28日(火)
■日本の劣化を象徴するようなことばかりが相次ぐ。特捜検事の証拠偽装問題でも、上司の特捜部長が、内部からの訴えを却下したといったニュースが流れて来る。検察幹部は「自己防衛」の心理から、不正を知りながら握りつぶしてしまったということである。それがどれほど重大かつ深刻な事態であることを知っていて、検察の不祥事になるので、もみ消そうとしたのだろう。

■前田主任検事が過去に調べたケース、たとえば小沢一郎氏の政治資金疑惑問題などについても、再検証する必要があるだろう。こういう特捜は、もういらない、とあらためて思う。権力機関のこのような劣化が社会全体の劣化を後押しする。主任検事の功名心にかられた犯罪なのか、あるいは検察という組織の仕組みそのものに問題があるのか、検察内部での調べにまかせるのではなく、第三者の法律専門家によるプロジェクト・チームをつくって徹底的に調べないと、ウミはでてこない。

■尖閣諸島の問題でも、政府中枢のとった措置は感心しない。政府はいまなお地検の独自判断であると強弁しているが、国民の誰もそれが事実であると思っていない。そもそも中国漁船の10数人の乗組員を拘束したあと、なぜ船長一人を逮捕してほかを解放してしまったのか。船と船が衝突した「事故」というのなら、船長だけでなくじっさいに船の舵をとっていた乗組員など、ほかの中国人も逮捕して取り調べる必要があったのに、それをしなかったのは、そもそも逮捕そのものが政治的判断にもとづいたものではなかったのか。

■誰にも見透かされているような「嘘」をいってはいけない。管政権の外交音痴、外交無知がきわだっただけに終わったと思う。対中問題は今後の日本にとってきわめて大事であり、劣化した経済を回復させる手立てとしても中国は重要な柱である。媚びるのではなく、毅然とした態度をとることが必要だが、きわめて戦略的に、ときに優柔不断を思われるくらいに、退いたり押したり、グレーゾーンの塗り込めたり、手練手管を用いて対処していくべきなのだが。そのための人材が、現政権にはいない。「脱小沢」などという姑息なことをするから、こういうことになる。

■この問題でマスコミが「世論調査」をまったくしないことも、妙である。小沢バッシングの「世論」が顕在化するときは、あれほど「世論調査」なるものを頻繁に行い、世論はこうだと誘導したのに。今、世論調査をやったら、きわめて興味深い数字がでるはずである。
by katorishu | 2010-09-28 23:26 | 東アジア