コラム


by katorishu
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 若い男性のセックスレス倍増は日本民族衰亡の兆し

 1月13日(木)
■セックスに無関心だったり嫌悪感をもったりする16から19歳の男性の割合が2年前から倍増し3分の1を占めるようになった、と厚労省の研究班が発表した。セックスレスの夫婦も4割を超えているという。20から24歳の男性でも11、8%から21,5%へと増加。女性の各年齢層で増加した。

■性欲は食欲とならんで動物が基本的に備えている本能である。この2つの本能を欠いた動物は消滅していくのが自然の理である。「ご清潔」で「機械化され」「効率化され」「自然環境から離れた」生活をしている現代人は、人も動物の一種であることを忘れているのかもしれない。

■若者のセックスの傾向を調査した厚労省の研究者は、「少子化」と結びついているのではと類推している。それがすべてではないとしても、若者のセックスレスと少子化は結びついているはずだ。日本人の夫婦の間のセックスについても、世界でかなり低位にあるという調査もある。

■セックスレスの傾向は、環境に適応しやすい若年層に端的にあらわれている。中高年がセックスレスになるのは自然の理ともいえるが、性欲がもっとも強い青少年層がこういう傾向であるとすると、大問題といっていいだろう。動物は命の危険にさらされると性的ホルモンが急増するようで、性欲が昂進する。メスのライオンは自分の子をオスライオンに殺されると発情する。そうすることで命をつなぐシステムが働くのである。

■善し悪しの問題ではなく、そのような生体のシステムが自然に備わっているからこそ、現代まで種がつづいてきたのである。人間も同じ。民族を言い換えてもよい。歴史上、版図をひろげた国は例外なく人口増をともなっている。戦後の日本が「奇蹟の高度成長」をなしとげたのも、ベビーブームによる人口の急増があったればこそである。

■セックスレスが今後もつづくとなると、日本の人口減は予測をはるかにこえてすすみ、やがて日本民族の消滅ということも現実化する恐れもある。一方、インターネットや雑誌その他でポルノやエロ情報が氾濫している。セックスレスの傾向の増加は、複雑な要素がからみあっているはずだが、私見ではいわゆる「ゲーム脳」「携帯電話脳」が関係しているのではと思える。

■「デジタルネイティブ」という言葉がある。生まれたときからデジタルが周囲にあり、デジタル器機とともに育った世代である。彼らはゲーム、携帯、パソコン等々、それまでの人間が接してこなかったきわめて人工的な「反自然的な」環境のもとで育った。田畑や空き地などでのどろんこ遊びとは無縁に育ち、野生の動物に本来備わっている本能が鈍化しつつあるか、鈍化してしまったのかもしれない。

■脳機能の基本部分が形成されるまでは、デジタル器機との接触を意識的に絶つことも必要になってくる。事は命の継続の根本にかかわる問題である。軽く考えていると、10年20年後、きわめて深刻な事態になる――ということを、どれほどの政治家、官僚、教育関係者、そして親が本気で考えているのか心許ない。「日本民族」など早く地上から消えたほうがいいと思っている人は別にして、日本国民にとって、憂慮すべき傾向ととらえ、早めに手をうつ時にきている、と思うのだが。
by katorishu | 2011-01-14 00:36 | 社会問題