NHKスペシャル『日本人はなぜ戦争に向かったか』は見応えがあった
2011年 02月 27日
■テレビを見る時間が最近極端に減っている。見るにあたいする番組があまりに少なく、ほとんどは時間の無駄なので見ない。ただ1パーセントほどは、見応えのある番組も存在する。そんな番組のひとつが本日21時よりNHKスペシャル枠で放送された「日本人はなぜ戦争へ向かったか・加熱報道と民衆の熱狂・陸軍極秘世論操作」である。
■マスメディア、とりわけ新聞とラジオ(当時の日本放送協会)が軍部の意向に屈して、いかに戦争熱をあおるために事実でない戦意高揚報道を繰り返したか、そこに至るプロセスをうまく折り込みながら50分の番組に仕上げた。再現映像をアニメにしたのもよかった。スタッフの知的レベルは高い。
■NHKならではの番組で、ひさびさに見てよかったと思える数少ない番組。8割ほどは活字で読んで知っている内容であったが、映像や証言をともなうと別種の趣がある。ひところ昭和史に材をとったノンフィクションを書いていたので、昭和については、それなりに詳しいと自認している(?)NHKは民放でも出来る番組ばかりをつくらないで、こういう質の高い番組を意欲的につくっていかないと存在価値がなくなる。
★ついでながら昭和に材をとった切削のPR・・・「もうひとつの昭和」(講談社)、「マッカーサーが探した男」(双葉社)、「モダンガール」(筑摩書房)、「北京の檻」(文藝春秋・共著)、「今村昌平伝説」(河出書房新者)等々。ほとんどは絶版になっているが、アマゾンの中古で買えます。たいていの図書館には置いてあります。
■本日、天気がよかったので、リュックに資料類と携帯パソコンをいれ、天王洲アイルから田町まで歩いた。途中、例によってコーヒー店により、執筆や資料読み。「歴メン・土方歳三」10回目、土方が宇都宮城攻防で足指に負傷する一方、近藤勇が官軍によって斬首される部分を書いた。沖田総司が労咳で病死する場面なども織り交ぜ、本日一杯で完成する予定であったが、未完。2月一杯で完成予定は3月にずれこみそうだ。3月に11回と12回に上の巻を書き、4月に12回の下の巻と最終回の13回を書く予定だ。そのほか諸々、新規プロジェクトの立ち上げにからんでいるので、「貧乏暇なし」状態がつづく。目はしょぼしょぼ。姿勢だけは正しくしていないと思い、大地を踏みしめるようにして歩いた。久々に十分な睡眠をとれたので、時差ボケ状態から脱して、頭は冴えている、と思いたい。