コラム


by katorishu
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都知事選が面白くなってきた。民主党も候補者を。東京と地方から政治をかえる時

3月2日(水)
■都知事選に松沢神奈川県知事が立候補を表明。すでに立候補を表明している共産党の小池氏とワタミの渡辺氏の3人でもかなり選挙が面白くなってきたが、政権与党の民主党も独自候補をたてるべきだろう。話題の蓮舫氏がでればさらに面白くなる。

■べつにテレビ番組などではないのだから、エンターテインメントとしての面白みをいっているのではない。一般の関心が高くなり、投票率があがれば、結果としてめぐりめぐって民主主義が成熟する方向に向かう。不和雷同、メディアの煽動に弱い国民ももうすこし、自分の頭で考えるようになるのではないか。そうなるきっかけになるといいのだが。(ないものねだりか)

■現代の日本の最大課題は「経済」である。経済の立て直しを緊急にしなければ、どうしようもなくなる。日本が瀬戸際、崖っぷちにあることを骨身にしみてわかっていて、ではどうすればよいかを、世界との関係も考慮しつつ、有効な政策をダイナミックに果敢に実行できる人。

■一方で、長期的観点にたって「文化の土壌」を肥やすことがいかに大事かをよくわかって、これを大胆に実行できる人。経済と文化。一見関係なさそうであるが、車の両輪である。このふたつに並々ならぬ関心と知識をもち、それなりに頭の良いひと。そういう人がいわば政治家の「見本」になって、口先だけでなく、きちんと形で示す。そんな政治家が一人でも二人でも現れて欲しいもの。







■ 一方でポピュリズムの問題がある。最たるものがマスコミがしばしば実施する世論調査。週刊ポストによれば、数字などかなりの程度誘導できる。質問の順序を変えたり、予備知識をどう与えるかで、答えが相当変わる。マスコミの記事はある意味「つくる」ものである。一時期、大マスコミでニュース記事を書いていたことがあるので、ニュースとは作り手の価値判断が相当はいることを少々知っている。すなわち「作る部分」がかなりの程度あるということである。

■マスコミの世論調査なるものは、あくまで参考資料程度に見ていればいいのだが、これに一喜一憂し、世論調査の数字をあげることのみに腐心する政治家が多すぎる。現政権のもっともダメなところは、大マスコミの政治部関係者のおだてにのって、世論調査の数字に振り回されつづけている点である。もっとも、最初から定見などなく、権力者の椅子に座りつづけたいだけの人が、そのためにはどうすればよいかを考えて、マスメディアとタッグを組もうとしただけのことかもしれないが。

■都知事選に立候補を表明した人のなかにも、そういう無定見な人がいるかどうか。今後、厳しく見ていく必要がある。それにしても政権交代を果たした民主党。「国民生活第一」の言葉はどうなってしまったのか。都知事選で、仮に民主党が独自の候補をだせなければ、この党が与党でいられる時間はさらに少なくなるだろう。もともと確固とした政治哲学があったわけではない人が、たまさかの僥倖で権力者についてしまっただけのことかもしれない。日本がきわめて危うい時期に、そういうトップリーダーをいただいていることの不幸を思う。都知事選につづき、出来るだけ早い時期に解散、総選挙を実施して欲しいものだ。
by katorishu | 2011-03-02 10:37 | 政治