コラム


by katorishu
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歌の強さ、をあらためて思う

 2月21日(火)
■相変わらず寒い日が続く。季節の変わり目であり、訃報などもあいつぐ。昨日はお昼から夜にかけて銀座で2件、渋谷で2件、仕事の打ち合わせ、そして勉強会。ぼくとしては脳が全開で、執筆作業としては現在とりかかっている映画のシナリオの想を練るだけで精一杯。食のエッセーの締め切りも迫っている。ま、忙しくしているときのほうが、暇でしょうがないときより、精神衛生にはいいようだ。

■脳の疲れをてっとり早く癒す方法として、最近ユーチューブで音楽を聴く。声に張りと魅力があり、歌詞がよく心地よいリズムを刻む音楽、それも数十年前にはやった歌が妙に心に沁みる。本日、早起きして聞いたのは大塚博堂と八神純子。以前はテレサテンの歌をよく聞いたが、最近は大塚と八神。ともに、抜群の歌唱力があり、声に艶と伸びがある。大塚博堂は30年ほど前に30代で亡くなった。初めて彼の歌をNHKのFMで聞いたとき、胸がふるえた。八神純子もいい。今、この二人に匹敵する歌い手は、ごくごくわずか。

■彼らは近頃の集団になって歌い踊る「アマチュア並」の歌手とは天と地の差。それにしても、歌の強さをあらためて思う。脚本家として台詞にさまざまな思いをこめるが、1つの歌によって、ひっくりかえされてしまうこともある。もっとも、歌と台詞が渾然一体となったとき、さらに効果を発揮するものだが。いまとりかかっている日中合作の映画のシナリオの冒頭、中国の昆劇にシーンにあらためようと思っている。映画は「水もの」。どうなるか未知数のところもあるが、まずは荒く第1稿を書いてから中国へ、という予定。
by katorishu | 2012-02-21 08:59 | 文化一般