コラム


by katorishu
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創作ドラマ大賞受賞作「夜明けのララバイ」の試写を見た

3月15日(木)
■第35回創作テレビドラマ大賞 大賞受賞作「夜明けのララバイ」のオーディション(試写)を見た。マスコミ試写で場所はNHKの422オーディションルーム。日本放送作家協会主催でNHK・NHKエンタープライズ後援の懸賞ドラマ公募の大賞受賞作である。最終選考会の司会をしたこともあり、ぼくなりの思い入れのある作品だ。作者の吉田真童氏もきていて、始まる前にちょと雑談をした。

■受賞作がそのままドラマ作品になるわけではなく、直しがはいる。彼にとって初めての経験であり、いろいろと勉強になったとのことだが、疲れたことも事実のようだ。亡くなった市川森一さんがよく話していたが、「脚本家は戦いだ」という言葉が今も印象に残っている。制作側の言うことをそのままイエス、イエスといって自分の意見もないまま直している脚本家はたいてい消えていく。かといって、頑強に対決する人もだめ。小説家以上に脚本家は微妙な立場であるということを、吉田氏は学んだはずだ。才能のある人なので、今後の活躍を期待したい。

■42分ほどの「小品」であるが、よくまとまった作で、NHKとしては珍しい素材。自傷行為を繰り返す叶江(21)と、不治の病にかかっている緑里(22)。この二人が都会の片隅で出会い、女同士の「友情」をはぐくみ、新たな立ちをしていく。ぼくが受賞作を読んで抱いたイメージとちょっと違ったものになっていたが、これはこれで、新人脚本家の最初の作品として評価できる。有望な新人が続々と育つことがドラマを隆盛にさせる一つの柱である。谷村美月、蓮佛美沙子が主演。2012年3月27日(火)放送予定。総合:午前0:15~0:58 ※26日(月)の深夜になるとのこと。ぜひご覧ください。
by katorishu | 2012-03-15 21:22 | 映画演劇