コラム


by katorishu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

違法コピー天国、中国の違法ビジネスに、やや歯止めがかかりそう

 5月12日(土)
■インターネットの普及で著作権の侵害がいろいろなところで起きている。国家的規模で違法コピーが野放しになっているのが中国であることは、関係者ならみんな知っている。じっさい、中国には日本や韓国、アメリカなどの映像ソフトの無法コピーが氾濫し、「違法コピー・ビジネス」といったものが堂々と行われている。中国がいぜんとして世界の一流国になれず、世界からあまり尊敬されないことのひとつに、著作権侵害が大ぴらに行われていることがある。中国当局はそのことをもっと真剣に考えて欲しいものだ。「中国はいつまでたってもカネに執着し、文化的に遅れている国であり、国民である」という声を乗り越える努力をしないといけない。

■ここにきて違法コピーの取り締まりを中国当局が積極的にやりはじめた、と朝日新聞が伝えた。たとえばNHKのドラマ「坂の上の雲」が日本で放映されるとすぐに中国で中国語の字幕のはいったコピーが1枚15元(約200円)で売られる。当局はときおり取り締まるが、5月12日の朝日新聞「ニュース圏外」によれば「交通安全週間のようなもので、当局の取り締まりキャンペーンが終わると元にもどってしまう」(「上海の弁護士)とのこと。それがここへきて取り締まりの罰則が強化され、罰金もたとえば「クレヨンしんちゃん」のイラスト入り子供靴が上海のデパートで売られていた問題で、当局は著作権侵害を認め、業者に約400万円の支払いを命じたという。

■違法コピー天国であるにせよ、中国がソフト面でも今後期待できる大市場であることにかわりはない。日本の出版や映像ビジネスの企業も進出をもくろんでおり、角川書店など一部ながら成功するケースもでてきている。中国の違法コピー・ビジネスをやめさせ「世界標準」にもっていくための努力を、日本の当局がもっと積極的にして欲しいものだ。今後ソフトビジネスの相互交流はすすみ、「市場」のかなりの部分を中国がしめるようになるにちがいに。車などのようになるには、まだ時間がかかるにしても。先行きのことを思うと、コピー天国で、世界の顰蹙をかっている中国が、違法取り締まりに少しながら積極的になったことは、明るさの兆しと考えていいだろう。
by katorishu | 2012-05-12 16:32 | 東アジア