バブル期のドラマ企画書がでてきた
2012年 06月 28日
■部屋の整理をしていたら、古いテレビドラマ企画書がでてきた。フジテレビの木曜劇場枠で「恋テク・ゲーム」全11話。折からの財テクブームにのって、離婚した主婦が初めて株を始め、「マネーゲーム」と「ラブゲーム」「親子ゲーム」という三つの舞台で、母と女とキャリアウーマンの三つの役割を演じるというコメディ。
■昭和63年1月14日(木)22時00分から22時54分放送とある。フジテレビから初めて連ドラの注文がきたものだ。当時はドラマ脚本を量産しており、他の仕事も抱えていた。2話を書いた時、世界市場を揺るがす「ブラックマンデー」が発生、結局、制作は取りやめになったと記憶する。当時、コメディはあまり書いたことがなく、脚本もほめられたものでなかったかもしれない。フジテレビがまだ市ヶ谷近くの河田町にあったころだ。局舎も古い建物で、番組制作に手作りの良さがあった。
■印刷されたちゃんとした企画書で、30ページほどのストーリーが記されている。もちろん僕が書いたオリジナルだが、改めて読み返してみると結構面白い。キャストは当初、いしだあゆみさんと、ちあきなおみさんであったが、諸々の事情で二人はおり、十朱幸代さんになったのではなかったか。十朱さんには一度会って打ち合わせをしている。「ハイキーな絵がどうのこうの」という十朱さんの言葉を覚えている。
■頓挫した連ドラであり、当時はもちろん快くなかったが、時がたってみると、あんなこともあったなあと懐かしくもある。他にも企画書の類はあったはずだが、おそらく廃棄してしまった。台本もない。アーカイブという観点からは実に惜しいことをした。