コラム


by katorishu
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便利さ快適さを追求すればするほど、膨大な不幸が積み重なる「文明」

8月10日(金)
■暑い。どうもこの暑さ、数字に現れる気温と、じっさいに人が感じる体感温度とでは大きな差があるようだ。都市化が進みいわゆる「ヒートアイランド」現象が広がり、すでに制御できない領域に入りつつあるのだろう。便利さ快適さを求めてつくりあげた「都市」が、かえって住みにくい状態を作り出しているという皮肉な現象。

■食料問題や水の問題ひとつとっても人類の生存を左右する深刻な問題である。妙な時代になったものだ。みんなが懸命にしあわせになろうと努力すればするほど不幸が積み重なっていく。じっさい70億人に達する人類が一定レベル以上の暮らしを求めれば、まず深刻な食糧危機に陥る。去年の東日本大震災、原発事故などで、多くの人はアングロサクソンが構築した「近代文明」とやらの、いかがわしさ、面妖さを骨身にしみてわかったはずなのに、喉元すぎればなんとやらで、再び国土をコンクリートで塗り固め、「便利さ」「快適さ」を追い求める方向にのめり込もうとしている。

■消費税増税をもっとも歓迎しているのは財務省だが、土木建築関係者も大歓迎であるという。増税分が、めぐりめぐってそっちへ回って行くのである。なにをかいわんや、である。現代人は地下資源などを使い果たしたあと、子孫にどのような申し訳をするのだろうか。日本には「足るを知る」という言葉がある。これを政治家などトップリーダーは噛み締めて欲しいものだ。猛暑のなかそんな甲斐のないことを考えた。
by katorishu | 2012-08-10 11:23 | 社会問題