都立国立高校の文化祭の演劇はすごいと聞いていたので、見に行った
2012年 09月 07日
■母校の都立国立高校の文化祭に顔をだした。3年生全員が参加するという演劇をぜひ見て欲しいと以前から、同窓生や校長にいわれていた。(以前ちょっとした講演をしたもので)。今回は同窓生の招待枠があるというので見に行った。3年の6クラスがそれぞれ独自の舞台を手作りでつくりあげ、高校演劇のレベルを超えていると聞いていた。ひさびさに降りた国立駅。駅からまっするにのびる広い大学通りは緑が多く都内でも有数の見栄えのする通りだ。そこをゆっくり歩きつつ、しばし往事を懐古した。
■ホールや講堂でなく、普通の教室でやるというので、ちゃちな学生芝居かなと思っていたが、ちがう。教室がちょっとした「小劇場」の空間に生まれかわっていて、芝居もなかなかのもの。6つの演目を同時にやるので1つの芝居しか見ることができなかった。ぼくの見たのは『フライパンと拳銃』という喜劇仕立てのミステリアスな物語。地方都市にある葬儀屋が舞台で、遺体のない奇妙な葬儀がはじまり、謎が謎をよぶ展開。主人公の青年はじめ親父役、母親役とも味をだしていて楽しんで見ることができた。
■オーバーアクションをすこし抑制して、緩急をつければもってよくなったかなと思ったものの、予想にたがわぬかなりレベルの高い芝居。下北沢あたりで金銭をとって演ずる小劇場の芝居とくられべても、あまり遜色はない。なにより、3年生全員がなんらかの形で関わるというのがいい。構内に熱気があふれており、満員札止めもでるとのこと。ウイークデーの昼間なので、観客は生徒のお母さんらしい人が大半のようだった。都立高校のなかではいわゆる「受験校」だが、受験勉強は一時わきにおいて、こういう文化芸術活動に熱をいれている学校の方針には敬意を表したい。