NHKスペシャル『エネルギーの奔流・第1回・膨張する欲望』を見た。
2014年 05月 25日
■土曜の夜9時からのNHKスペシャル『エネルギーの奔流』の第1回『膨張する欲望』を興味深く見た。人口が12億人に達するインドで、みんなが先進国並みのエネルギーを消費するようになると、驚くべき速さで地球の石油や天然ガスの資源は枯渇する。インドの例を手始めに、カナダのオイルサンドの現場や「資源貧国」トルコが、原発設置に踏み切った例などを、わかり安く示していて好感がもてた。
■一方、海底に膨大な量の油田が存在するブラジルなどでは、すでに新しい技術で掘削がはじまっており、地下資源の採掘可能の埋蔵量は飛躍的に増加し、そう簡単になくならないという意見もある。カナダでは掘削技術の向上でオイルサンドから大量の石油等をとりだすことが可能になっており、今後240兆円もの価値に相当するとしている。オイルサンドをとりだすには大量の水蒸気が必要で、水蒸気をつくるために膨大な火力や水を使うので、地球環境の悪化も懸念される。カナダは京都議定書からの離脱を宣言し、環境悪化は心配ないと力説しているようだが。
■いずれにしても、開発の遅れた新興国の国民が「便利で」「快適な」生活を送ろうと電力を大量に消費するようになれば、石油や天然ガスの値段があがり、そこに巨大な投資が行われ、産業としては活発化する。同時に、環境の悪化や、地下資源の枯渇は避けられない。だからといって、新興国に従来通りの暮らしに甘んじよと、先進国がいうのも一人よがりであり、傲慢というものだ。
■やがて80億人から90億人へと増加する地球人口を考えると、人類の未来にとってエネルギー問題は大変重要な問題を秘めている。一歩間違うと、戦争の原因にもなるし、厄介な問題でもある。目下、必要あってこの方面の資料等を読みこんでいる僕には、特別新しい情報はなかったが、日曜日に第2回が放送されるので引き続き見てみたい。