コラム


by katorishu
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ロマンポルノの「立役者」曽根中生監督、亡くなる。

  8月27日(水)
■曽根中生監督が亡くなられた。一斉を風靡した日活ロマンポルノの中心的な存在だった。代表作は「天使のはらわた 赤い教室」や「嗚呼!!花の応援団シリーズ」「博多ッ子純情」など。 曽根監督とは面識がないが、
ロマンポルノの「立役者」曽根中生監督、亡くなる。_b0028235_2134419.jpg
ロマンポルノを撮っていた監督やシナリオライター、女優は何人か知っている。
他の映画会社出身の人と漂わす雰囲気がどこか違っていた。
日本映画の衰退期にロマンポルノの果たした役割は案外大きい。

■ブームが去ったあと、映画が当たらず、借金がかさみ、妻子は実家に帰ってしまい、六畳一間暮らしをしたこともあったそうだ。夕刊フジによれば、一時世間から姿を消していたが、その間、大分でヒラメの養殖をする一方、環境配慮型燃料の製造装置も開発していたという。
フリーランスで生きることは、たとえ才能があってもそう簡単なことではない。関係者ならよく知っていることだが、サラリーマンや公務員など毎月決まったお金が入ってくる人にはわからない。特に「斜陽産業」に身をおくと、よほどの僥倖がない限り、とくに金銭的には苦労する。でも、虎は死して皮を残す、監督は死して映画を残す……。

■日活ロマンポルノについては、僕の大学の先輩で毎日新聞の元映画記者・映画評論家の松島利之氏の「日活ロマンポルノ全史」(講談社)に詳しい。労作である。
このごろ、業界関係者がよく亡くなる。そういう年になってきたのかと思う一方で、多くの方が「志半ば」で逝かれた、という気がしてならない。
いずれにしても一つの時代が終わったと改めて思う。
ご冥福をお祈りします。
by katorishu | 2014-08-27 21:04 | 映画演劇