コラム


by katorishu
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書籍市場の縮小に歯止めがかからないという。文化の危機!

 9月27日(土)
■書籍の市場縮小に歯止めがかからないという。消費税値上げも、本屋にはかなりの打撃である。衣食住はどうしても必要なので、まずそっちに限られたお金を使うので、本代までまわらない。スマホ等で毎月少なくな
書籍市場の縮小に歯止めがかからないという。文化の危機!_b0028235_9254657.jpg
い経費のかかるので、文化・教養にまわるお金がなくなってしまうようだ。
話題になっている本は売れるが、(内容の善し悪しに関係なく)話題にならないものは売れない。お客が「本を探さなくなった」と書店員は嘆く。本屋でもPOPをつくったり、並べ方に工夫をし、なんとか売るように努力をしている。しかし、本を読む人口そのものが減っているので、どうしようもない。

■単に書籍市場が衰退するだけでなく、日本の美点であり強みであり誇りであった「よく本を読む国民」というイメージが消えつつある。これの意味するところは、私見では「知的劣化」であり、今後、世界のなかでじわじわとマイナスの要因となって効いてくるだろう。
明治維新以降、日本が欧米列強の植民地にならず、彼らと肩をならべるように成長した裏には、国民の識字率の高さがある。戦後の廃墟の中から、日本は「奇跡の成長」をとげたが、その裏にも、国民一般の勤勉さに加え、知的レベルの高さがあった。





■ひところ日本にやってきた外国人が一様に驚いたことはなんだと思いますか。
電車のなかで、多くの人が読書をしていることだった。あれだけよく本を読む国民は他に例を見ないと、何人もの外国人から聞いた。
その「良き習慣」が今、衰退にむかいつつある。スマホ等で電子本を読んでいる人もいるが、断片的であり、まとまった内容、深い内容のものは紙の本でなければなかなか味わえない。
IT関連に可処分所得の多くをつかってしまい、本代がなくなるのも問題である。

■これまでいくつかの大学、専門学校で非常勤講師として教えてきたが、例外なくいえることは、よい文章、よい脚本を書き、自分の頭でものを考え、自分独自の意見をいう人は、ほとんど例外なく子供のころから読書好きであったことだ。
その人の顔を見て、数分言葉をかわしただけで、本を読んでいる人かいない人か、すぐにわかる。これは学歴には関係ありません。

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by katorishu | 2014-09-27 09:26 | 文化一般