コラム


by katorishu
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平幹二朗・渡辺美佐子の2人芝居『黄昏にロマンス』を見た

 11月10日(月)
■秋晴れの良い天気。秋から年末にかけて演劇や音楽、そのほかイベントが多く、僕のところにも毎週のように知り合いなどから案内が届く。出来るだけ顔をだしたいのだが、体調を崩したこともあって、ほとんど失礼している。ごめんなさい。そんな中、どうしても顔を出さなければというものがある。吉祥寺シアターで公演中の『黄昏にロマンス』(アルブーゾフ作)。中年の男女の二人芝居で、ともに80歳をこえた平幹二朗さんと渡辺美佐子さんが、「軽妙に熱演」している。
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■渡辺さんはご主人の大山勝美氏(ふぞろいの林檎たちのプロデューサー)を亡くされたなかでの稽古。ご夫妻共に存じ上げているので、これは行かなくてはと思った。バルト海に面した保養地リガのサナトリウムを舞台に、医師ロディオンと患者リダの老いた同士の「恋物語」だ。1968年が舞台。まだソビエト時代で、この年、ソ連軍が自由を求めるチェコに軍事進入して制圧。西側から強い批判があった。

■台詞の多い芝居で、しかも2時間の長丁場である。お二人がどうこなすのか、興味があった。まず平幹二朗さんの張りのある声に驚いた。姿勢もよく、老いをまるで感じさせない。渡辺さんは。ちょっとはすっぱな所のあるリダを、笑いを呼びつつ好演。ベテラン俳優が時に軽妙に時に重く、役を演じきる。ダイナミックな展開はないが、しみじみとした味わいをもたらす、良い舞台だった。

■80歳をすぎたお二人が未だ現役で若々しい。それだけでも素敵なことで、活力をもらえた。吉祥寺シアターにも初めて足を運んだ。定員200人ほどの小さな劇場だが、この芝居にふさわしい場といってよい。少々からだがだるかったが、足を運んでよかったと思ったことだった。。
by katorishu | 2014-11-10 10:59 | 映画演劇