コラム


by katorishu
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渋沢栄一の長女、歌子の分厚い「穂積歌子日記」は明治を知る上で貴重な資料

11月17日(月)
■渋澤栄一の長女は歌子といい、明治を代表する法学者、穂積陳重(のぶしげ)に嫁いだ。
歌子は幕末の1863年から1932年、昭和7年まで生きた。日本の近代を「創った」といわれる渋澤栄一の長女として、幕末から明治、大正にかけて、経済の中枢に関することなどいろいろなことを見聞したはず。結婚してからは穂積陳重の妻として、また渋澤栄一の長女として、冷静に、しっかりと夫や父の動きを見守った。
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■ある時期以降は夫の陳重の「秘書役」「筆記役」をかねた趣もある。訪問客等を克明に書きとめており、明治時代の政治・経済・世相の資料としても貴重だ。歌子の孫である穂積重行氏の注記が詳細をきわめ、渋澤栄一研究に欠かせない一級の資料だ。日記の抜粋というが、注記もいれると1000ページ近い。みすず書房でだした。定価17510円。古本で6000円。図書館で借りたものだが、数十頁読んだだけで、古本を買いたくなった。こういう本は手元に置いておかないと。

■もし時間があったら、長女歌子からみた渋澤栄一を書いてみたい気持ちはある。どこかで連載ということになると、やる気が起こるのだが。以前にくらべ総合雑誌が激減し、発表の舞台も年々せまくなる、といって嘆いてもはじまらない。まずは資料を読み込むことだ。

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渋沢栄一の長女、歌子の分厚い「穂積歌子日記」は明治を知る上で貴重な資料_b0028235_19361024.jpg

by katorishu | 2014-11-17 19:41 | 文化一般