NHK大河ドラマ『花燃ゆ』第1回を見た。NHKの「勇気」が試される番組。
2015年 01月 05日
1月5日(月)
■本音も当ブログ、よろしくお願いいたします。
今年の正月はとくにどこにもいかず、家と近所でおもに読書と資料読み、旧作の改稿作業等で時間をすごした。とにかく時間の経過が早すぎ、驚きあきれる。
■作4日夜、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』の第1回を見た。新選組の人たちの故郷に近い所で生まれ育ったこともあり、じつは長州にはあまり良い印象をもっていない。確かに明治維新の「偉業」をなしとげた原動力になったのは薩長土肥だが、その後の「藩閥政治」には大いに問題がある。激動期の逸材は薩長ばかりではなく、他にも数百人単位でいたはず。多くは非業の死をとげてしまったか、沈黙を余儀なくされてしまったが。
■それはさておき、『花燃ゆ』の第1回はいかにもNHK大河ドラマらしい、無難で堅実な出だし。状況説明がすこし長いと思ったが、歴史にうとい視聴者にもわかりやすく作ることを要請されているので、仕方がないか。今後どう展開していくか、制作陣の「心構え」がためされる。
■「何のために学問をするのか」という吉田松陰の言葉は、今の日本にあてはまる。
わかりやすくいえば、「公のために生きるのか」あるいは「私利私欲のために生きるのか」のどちらかである。「私利私欲」つまりお金儲けのために生きる人が、多数派になってしまった現在、このドラマがどれほど新機軸をだせるか、そこが見所である。
■今年は敗戦より70周年。日本は大きな岐路にある。グローバル化時代の世界で、少子高齢化という大変な重荷を背負った日本は、日本人は、今後どう生きていくのか。
過去を描きながら、日本の今後の指針になるような「生き方」をだせるかどうか。「花燃ゆ」には重い課題が課せられているといってよいだろう。長州出身の総理に遠慮したり媚びたりすれば、ロクでもない番組になる。所詮テレビ番組といっても大河ドラマの影響力は大変大きい。スタッフというよりNHKの「勇気」がためされる番組でもある。まずは期待をこめて2話3話と見てみよう。
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