トランプ次期大統領がロシアに「クリントン氏のメールを見つけてくれ」とハッキングを促すことを去年7月の会見で述べた。大問題。
2017年 01月 08日
1月8日(日)
■トランプ氏とロシアのプーチン大統領の関係は本当のところどうなっているのか。トランプ氏は、去年の選挙中の7月に会見で、「ロシア政府が民主党候補のヒラリー・クリントン氏のメールをハッキングしてほしい」と述べたそうだ。
以下、ハフィントンポストの報道によると――
民主党全国員会(DNC)の幹部が、クリントン氏に肩入れして、候補指名を争っていたバーニー・サンダース上院議員を勝たせないように仕向けるメールのやりとりが内部告発サイト「ウィキリークス」に流出した件が、ロシアによるハッキングだった可能性が指摘されていることにトランプ氏が言及したものだ。
■「ハッキングをしたのであれば、ロシアはおそらくクリントンの3万3000通のメールを持っている。私は彼らが持っていることを願っている」と、トランプ氏はフロリダ州ドラルにあるプライベートリゾート地で行った会見で語った。
トランプは会見で、ハッカーがクリントン女史の削除した3万3000通のメールを持っているとし、その後ロシアに直接呼びかけ、「ロシアよ、もしもあなた方が聞いているなら、失われた3万通のメールを見つけるように願う」と語ったそうだ。
異例の発言というしかない。アメリカのサーバーが別の国家にハッキングされたことを積極的に支持する発言をしたことになるのだから。
一方、トランプ氏の記者会見とほぼ同時刻に、副大統領候補のインディアナ州知事マイク・ペンス氏は、トランプ氏の発言とは距離を置く声明を発表した。「もしロシアが、私たちの選挙を妨害しているのなら、共和・民主の両党、そして合衆国政府に深刻な結果を招くことになる」と、ペンス氏は述べた。
前米国防長官・米中央情報局(CIA)元長官のレオン・パネッタ氏も、トランプ発言を批判。この問題、今後のアメリカ政界をゆるがせそうだ。
日本は冷静に事態の推移を見守る必要がある。