コラム


by katorishu
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還暦等のお祝い会

 10月7日(金)。
 足立区のまなびピアでの脚本アーカイブス準備室の会議。何10万冊になるかわからないテレビ台本、脚本を収拾したあと、それをどういうふうに部類し、管理するか、基本的なところで各委員の意見がいろいろと出た。台本等は書籍と違い、図書の分類法をそのまま適用させることもできず、さらにすべてにお金がからむことなので、簡単なことではない。
「船出」の準備を始めたものの前途多難である。

 夕方、四谷三丁目で行われたテレビ関係者の集まりにでる。NHK佐藤幹夫氏と、CBCの山本圭三氏、NHKアートの稲葉氏の、「還暦の祝い」。佐藤、山本氏は数々の賞を受賞した「テレビの良心」ともいってよい演出家で、今も現役である。さらに演出家・深町幸男氏の快気祝いと、ぼくの「子役という仕事」の出版記念会を兼ねた集まりで、音楽家や演出家、役者などもまじえ、30人ほどが出席した。ぼくは一応幹事も兼ねていた。

 5月のカンヌ映画祭で「バッシング」(イラクでの人質の件でバッシングされた女性の心情を描いた作)が大賞の最終候補に残った小林政広監督も参加。彼はぼくと同業の脚本家であったが、監督稼業が板についた感じである。今村昌平監督について、非常に面白い本が出たと知り合いにいわれたので、著者を聞いたところ、香取俊介とのことで、さっそく買って読んだところ、「とっても面白く、映画作りに参考になった。よくあそこまで調べましたね」とのこと。
 さっそくアマゾンに感想等を書き込んだという。 読む人はちゃんと読んでくれているのだと、感動する。本を書いて「読まれない」「無視される」ことほど悲しいことはない。
 読まれなければ、存在しないも同然なのである。若手の女優数人から「子役という仕事、ぜひ買って読みます」といわれた。願わくば読まれて欲しいものだ。 

 以前はいろんな口実をもうけてしばしばこんな集まりをやっていた。しかし、気持ちだけは若くても、寄る年波には勝てない。10時でお開きになり、ぼくは早々に帰宅する。午前2時3時が普通であった「昔」が嘘のようだ。当時と比べ日本社会も変わった。時代閉塞感はかわらず、将来への不安は強い。そんな空気が微妙に集まりにも出ていた。意外な人の訃報、病気の話なども聞いた。
 尚、「バッシング」は11/20(日)16:00から有楽町朝日ホールで上映されるという。前売り券は11/3(木)よりチケットぴあにて発売。上映後には監督またはゲストとのQ&Aも予定されている。小林氏の以前の作にはないテーマであり興味深い。
by katorishu | 2005-10-08 12:08