コラム


by katorishu
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民主主義とポピュリズム

 4月4日(火)
■恵比寿で若いビジネスマンや、IT関係者、歌人の笹氏、デベートを「知的格闘技」として位置づけ実施している太田氏などと会い、意見交換をし、大いに語った。知人の出口氏がつくった「私的サロン」で。出口氏は「出口の国語」として大学受験生には大変人気のある「カリスマ予備校講師」でいろいろな事業を手がけている。
 参加者の多くは団塊ジュニアであったが、それぞれ独自の主張をもっていて個性もあるし、面白かった。今後の活躍に期待したい。

■鈴木宗男氏をゲストに呼んだ朝日ニュースターのトーク番組を見た。小泉外交と外務省の無策さ加減を手厳しく批判していた。外務省の海外赴任手当が給料の倍以上あり、それで家を四軒も建ててしまった人とか、具体名をあげて鈴木議員は率直に批判していた。
 それはまだいいとして、対ロシア政策が、素人の田中真紀子議員を外相にすえたことで、どれほど後退したかを、具体的に指摘していた。田中真紀子議員は日ロ関係を父親の田中角栄とブレジネフ会談が原点であると強調したそうである。そもそも田中・ブレジネフ会談は旧ソ連のときのもので、当時、ソ連は国境問題は「第二次大戦で解決ずみで存在しない」としていた。
 田中真紀子氏を外相に起用したことは、結果的に北方領土問題を旧ソ連の段階まで「もどす」ことになってしまい、時間をかけて積み上げてきた対ロ外交の成果が台無しになってしまったとのこと。
 つぎの川口順子外相も、外交には素人なので、ロシアからまったく相手にされず、「国益」の観点から見て、小泉首相および外務省は大きな失点を犯したという。

■鈴木宗男氏とタッグを組んで対ロ外交を支えてきた「外務省休職」の佐藤優氏の論文を読み、「なかなかの人物・人材」だと思ったが、宗男氏の率直な意見も興味深かった。
 鈴木議員と佐藤氏の逮捕は、「国策捜査」であるという意見があるが、その可能性が強い。特に外交においては、「純粋」とか「正直」とか「無知」は、罪深い結果をおよぼす。「水清くして魚すまず」という格言を改めて思いだした。

■そもそも小泉政権は田中真紀子氏の応援演説がなければ成立しなかった。その「恩」で彼女を外相にすえたのだろうが、これなど悪しきポピュリズムの典型である。それが今に尾をひいている。
 ポピュリズムを作り出すのは現在では、マスコミとくにテレビだが、この何年かの小泉政治を見ていると、マスコミの罪は深い。民主主義とポピュリズム。重なる部分が多いが、似て非なるものである。ポピュリズムは「独裁」のコヤシになるものである。誰であったか、今の中国に「民主主義」を導入したらポピュリズムの悪しき典型を示すに違いなく、一挙に「反日」機運が高まり、台湾を「武力解放」する方向にすすむ可能性が強いと書いていた。
 多くの人々の意見を採り入れることは大事なことだが、それがポピュリズムつまり大衆迎合主義に陥ったとき、どういう光景が展開するか。視聴率を唯一の尺度として制作されている今のテレビ番組に具現化されている。
by katorishu | 2006-04-05 01:48