コラム


by katorishu
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20年前のことで竹入元委員長を告訴する公明党

5月23日(火)
■東京は本日も梅雨を思わせる天気。このところ運動不足なので少なくとも1時間は歩こうかと思ったのだが、小雨が降り出したのでやめて、近くの行きつけのコーヒー店へ。
 携帯パソコンがないので、なにやら体の一部をもぎとられた気分だ。修理費として10万近くとられるのかなと、低額所得者としては憂鬱であったが、先方から電話があり、どこも悪くないという。しかし、画面がまったく出ないといったところ、ちゃんと出ますとのこと。点検だけなので3000円の料金になるのはありがたいが。
 どうもパソコンは気まぐれである。修理に出す前、いろいろ試みたのだが、画面の文字がネガフィルムのようになり、やがて白濁し、消えてしまった。その後、どう操作しても画面が現れなかった。
 バックアップをとっていないファイルもあり、恨めしく思っていたのだが、近頃珍しく「良い知らせ」であった。ソニーのバイオは最悪で、だからこそナショナルのレッツノートにかえた。携帯パソコンとしては一番堅固で軽量という評判であったので、これにしたのだが、さてもどってきたとき、うまく作動するかどうか。

■過日、以下のニュースを目にして、一瞬ジョークかと思ってしまった。
『公明党、竹入元委員長に550万円の損害賠償求め提訴』というもので、
『公明党は19日、竹入義勝・元委員長が党の資金を着服して妻に指輪を購入したとして、竹入氏に550万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴えによると、竹入氏は委員長在任中の1986年7月、党の資金から500万円を出金させ、東京・日本橋の百貨店で妻の指輪を購入した。
 竹入氏は67年2月から86年12月まで委員長を務めたが、98年の回顧録で「公明党は創価学会に従属していた」などと表明したため、公明党や創価学会から激しく批判されている。竹入氏は19日、「指摘された事実について記憶はない」と語った』
 (2006年5月19日20時18分 読売新聞)

■20年以上も前の委員長のことである。どうして今になって告訴までするのか。ぼくは聖教新聞や公明新聞をほとんど読んだことがないが、竹入元委員長が以前、朝日新聞に「回顧録」を書いたとき、このふたつの新聞が猛烈は竹入非難キャンペーンを展開したという。
 ひところは、日中国交回復の功労者として大いにもちあげていたのに、すこしでも批判的なことをいうと、掌を返すように徹底的にたたく。その延長上にあるのだろうが、この執拗さは異様に思える。恐らく、何か表に出ないものが背後にある、と考えるしかない。

■ぼくの知り合いに創価学会員が何人かいるが、ひとりひとりは「良い人」である。もっとも彼等と宗教がらみの話をしたことはないが。どうせムダと思っているのか、選挙で投票を依頼されたこともない。
 大学の後輩には外務省をへて参議院議員になった人もいる。彼とは何度か会って話をする機会もあった。彼も「良い人」である。創価大学の教員にも何人か知り合いがいる。いずれも偏狭、狭量の人ではない。もっとも彼等は創価学会員ではないが。

■公明党は今や与党になって「小泉政権」を補完する役割をになっており、ときどきブレーキ役も果たしているようだが、言論の自由に抵触することに関しては、もっと敏感になるべきではないのか。
 今国会で可決される可能性のある「共謀罪」。戦前、弾圧された歴史をもつ創価学会など、真っ先に反対を表明するべきなのに、学会に支えられた公明党が賛成している。不思議なことである。
 恐らく自民党議員の中にも、この法律に疑念を抱いている人はいると思う。が、「独裁的な権力」をもつ政権が了承しているので何もいえないのだろう。原案を作成したのは法務省で、警察庁の官僚も当然からんでいるにちがいない。それと警視庁内で刑事部とライバル関係にある公安部門の後押しもあるのだろうが、面妖で危ない法律である。
 こんな法律に、なぜ公明党が反対しないのか、不思議である。

■この党、および背後で支えている学会を真っ向から批判すると、「嵐のような」匿名のメールや電話類がやってくることがあるらしい。
 一般論だが、熱心な「教徒」には原理主義的な面がつきもので、自分たちこそが「絶対的に善であり正しい」という思いこみがある。とくに組織のリーダーに対しては、無批判にとにかく「信じ」「あがめ奉る」のである。
 ぼくは神ならぬ人間が「絶対的に正しい」などとはとても思えない。そのため原理主義的組織にはずっと距離をおいてきたし、今も距離をおいている。
「竹入告訴」の文字を見て、新たに彼が何かを「やらかした」のかと思ったら、20年以上の私事にかかわることで……。驚いてしまった。何かの間違いかジョークであることを望みたい。
by katorishu | 2006-05-24 00:49