七夕だが、都会に年中行事の風情はない
2006年 07月 08日
■七夕である。昔はこの日にふさわしく竹に★の形に切ったりした飾り物をつけたりしたもので、そんな光景が町の至る所に見られたものだが、今やそういう年中行事も商店街の宣伝のほかは消えたも同然である。小学校などでは、やっているのかどうか。「第一次産業」の農業や漁業の家で育つ子供には、まだ自然とのふれ合いが残っているようだが、都会では自然は半分以上死んでしまった。年中行事は垣根にこそ似合うのだが。今の東京では一部の住宅地域をのぞいて垣根のある家を探すのがむずかしい。垣根の喪失は今の日本を象徴している。
■ぼくの住む一帯にはそもそも一戸建ての家がないので、垣根などは皆無である。季節感が乏しく、こういう環境で育つ子供たちは、自然とまじわることで養える五感が果たして満足に発達するだろうか。そんな街区の一角にあるフジテレビ別館に、脚本アーカイブズの委員の安達氏といく。アーカイブズの現状について聞くために。自宅から歩いて5分ほどの距離で、運河ぞいにあるJAL本社の隣のビル。膨大な量の映像資料が保管されてあり、日々流し続けられるテレビの番組量の多さを改めて認識した。
■ニュースでは本日も北朝鮮によるミサイル発射問題が大きくあつかわれている。国際的に孤立している北朝鮮はさらに孤立を深めるだけなのに、なぜこの時期に敢えて発射したのか。しかも7発も。なにか裏の理由があるのだろう。
いずれにしても、情報統制国家なので、本当のことは表に出てこない。経済制裁に過敏に反応するところから判断して、国内の経済事情は相当厳しくなっており、食糧など地方には満足に行き渡っていないはず。
■一方で、金一族などの過度の贅沢な生活情報が伝わってくる。こんな専制独裁国家がなお生きながらえているのは、中国の後ろ盾があるからだろう。国連安保理決議について中国とロシアは反対し、北朝鮮擁護の姿勢を見せている。二国とも言論統制を強めている国家である。
■対して唯一の超大国アメリカが、9,11以降、メディアへの統制を強めている。小泉首相はそんなブッシュ政権に限りなく身を寄せ、今回のアメリカ訪問でもプレスリーの下手なマネをしてアメリカメディアの嘲笑さえ招いた。
今回の北朝鮮のミサイル問題について、国会を延長していたほんとうによかった……などと内輪の話として語っていたとか。まっとうな議論をさけようとする姿勢は相変わらずである。
例の村上ファンドへの日銀総裁の投資問題やオリックス会長の深い関与などが、ミサイル問題でそらされてしまった。関係者は今度の件でほっと胸をなでおろしているにちがいない。