コラム


by katorishu
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「あるある大事典」の納豆ダイエットの捏造事件

 1月21日(日)
■フジテレビ系の関西テレビ制作の情報番組「発掘!あるある大事典Ⅱ」で過日、納豆がダイエットに効くという内容の放送をした結果、スーパーなどで納豆が売れすぎでなくなるといった事態が発生した。テレビの影響力は「すごい」と思うより、相変わらずテレビに弱い国民が多いなと思っていたところ、これが実験や発言など6カ所で捏造であったことが発覚した。

■週間朝日が最初に伝えたらしく、本日の朝日新聞がトップニュースで大きくあつかっていた。深々と頭をさげる関西テレビの3人の幹部の写真が写っていたが、左側で頭を深くさげている岡林常務とは、かつて2度ほどドラマの仕事を一緒にした。「花王名人劇場」枠の単発ドラマで、沖縄などが舞台だった。当時は岡林氏はドラマのプロデューサーであり、「面白いホームドラマ」作りに意欲を燃やしていたが、常務になっていたのですね。

■当時はまだ「トレンディドラマ」なども出現していず、ホームドラマがドラマの主流をしめていた。ドラマ枠も多かったし、ゴールデンアワーに放送される番組にユーモアもあった。ホームドラマがテレビからほとんど消滅するころから、社会の空気が悪くなったという気がする。日々ホームドラマが放送される社会は、比較的穏やかで住みやすい社会であると言ってもよい。

■最近、時間の無駄なので、ほとんど地上波テレビを見ていないが、番組表を見ると「情報バラエティ」ばかりである。こんなにお手軽な情報番組が日々氾濫していると、いい加減な「取材」もあり、「やらせ」なども多いだろうなと思っていた。こんどの捏造を知って、やっぱりと思った。
 知り合いの構成作家たちがしばしば口にしていることだが、最近のテレビ制作の現場は「ひどい」という。とにかく安くつくって数字をあげることが至上命令であるようだ。当然、粗製濫造になる。元吉本興業のマネージャーであった木村氏が新聞にコメントしていたが、不二家の期限切れの材料をつかっていた問題と同根である。

■局制作ではなく、東京テレワークという番組制作会社のさらに下請けの会社がつくっていることを今回はじめて知った。「あるある……」は以前、一度見たことがある。「情報バラエティ」なので、情報を加工して面白おかしく見せようとしていた。それなりに楽しめたが、毎週、放送しているので、当然、面白い素材に事欠いてくる。NHKが以前放送していた「プロジェクトX」も、ネタがつきると問題の番組がでてきて、結局打ち切りになった。
 それにしても、番組放送の翌日、スーパーなどで納豆を買いに走る人がこんなにも多いことに、驚きあきれるばかりである。「映像のマジック」があることをいい加減、国民は気づいて欲しいものだ。捏造をしていなくとも、意識的に「ある映像」や「情報」をカットしたりすれば「事実」とは微妙に違う「情報」を流すことも出来るのである。
by katorishu | 2007-01-22 00:09