コラム


by katorishu
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参議院で逆転したからこそ成立した「改正政治資金規制法」

12月21日(金)
■1円以上の領収書の公開を義務づける「改正政治資金規正法」が成立した。参議院で野党が勝っていなかったら、とても実現しなかっただろう。この法律、来年1月に施行され、2010年5月末までに提出される09年分の政治資金収支報告書から適用されるとのこと。

■こういう法律をつくっても、法の網をぬって私腹を肥やす政治家はなくならないだろう。しかし、大きなブレーキにはなる。問題は政治家個人ばかりでなく「とりまき」である。選挙で物心両面で応援する人たちはほとんどが「利害関係者」といっていい。彼らは当選した政治家から何らかの見返りを期待するはずである。自分のかわりに政治力をふるって欲しいからこそ「応援」「支援」するので、何かを期待するのは、むしろ自然かもしれない。

■問題は「見返り」の中身である。防衛省の汚職で、汚泥の一端が顕在化したが、この種の汚職は、「合法的」行われているのだろう。合法的であるならいわゆる「汚職」ではないが、汚職の中身を法律改正することによって適法としてしまうことは、よくあることである。効率よく税金を私のものにする「天下り」など、違法ではないが、法律を変えれば犯罪になる。政治に対する国民の「監視」が今ほど必要なときはない。法律を作るのは政治家であり、政治家を選ぶのは国民である。

■NHKの会長選びが話題になっている。安倍前首相寄りの経営委員長の力で、「経済界から」有力候補があがっているとのことだが、願い下げにして欲しいものだ。
 言論機関として国民に強い影響力をあたえる大マスコミである。批判精神の豊かなジャーナリストやその他、適任の候補者はいるはずである。「市場経済経済原理主義者」が「ビジネス論理」を最優先させて「改革」を行うとしたら、世論の動向に大きな影響を及ぼす言論機関として、まずい。

■NHKは「ご用機関」で「言論機関」ではないという人もいるが、未だ言論機関の部分を残しているはず。経営委員長も財界人で、会長も財界人では――第一バランスもとれない。二人の女性の経営委員が委員長に異を唱えたとのことだが、かなり勇気のいったことだろう。イギリスのBBC並の報道、番組づくりを行える(可能性のある)のは、残念ながら日本には今のところNHKしかない。「心ある」経営委員の良識や見識に期待したいのだが、さてどうなりますか。
by katorishu | 2007-12-21 18:01