コラム


by katorishu
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国立能楽堂で(アマチュアの)能狂言を見た

12月23日(日)
■風邪気味で外に出ないつもりであったが、能狂言の「遊兎の会」の発表会があるとのことで、カミサンと千駄ヶ谷の国立能楽堂にいった。過日の矢来能楽堂での奥川さんの能狂言のあと会食した高須香奈嬢が「舟渡婿」に出るとのこと。「アマチュア」であるが、学生のときから10年以上、能狂言の勉強を続けているということで、どんなものかと「あまり期待」せずにいったのだが、「トリ」として登場した彼女の一声を聞いただけで、「これはなかなかのもの。素人離れがしている」と思った。

■相手役はカール・トイッシュという人で、こちらも外人にしてはなかなかのものだった。
高須嬢の良さはやはり張りのある声である。比較的広い能楽堂の空気が一瞬かわったようだった。能狂言師のプロになるのには女性は駄目ということだが、そのまま修行をつづければ、プロの域に近づけると思ったことだった。

■高須嬢の勤める広告関係の会社のS社長と社員もまじえ、能楽堂の近くの蕎麦屋で飲み食いしながら歓談した。高須嬢は関係者と「打ち上げ」があるので、そちらに参加。能楽堂にいく道筋、旧知のテレビ関係者数人と遭遇。こちらは日本舞踊の発表会にいった帰りだという。近々、忘年会でもと約束する。1000万都市東京で、知人と出会うことは非常に珍しい。まして千駄ヶ谷など数年に一度しか降りない駅である。これも何かの縁と思ったことだった。

■過日、映画の試写会で会った「比較的若い」女性も、文楽に凝っていて、給料のかなりの部分を文楽を見ることに費やしているという。出来れば国宝級の文楽の某名人に弟子入りしたいと話していた。伝統文化、伝統芸への関心が、とくに若い女性に目立っており、新しい潮流として注目される。若い男性はいませんね。積極的に取り組むパワフルな人は女性ばかり。これからの時代を担うのは女性かもしれないと思ったことだった。

■男性に頑張ってもらわないといけないのだが。多くは「ビジネス方面」でエネルギーを使い果たしてしまうのか。どうもパワフルな人が、少なくともぼくの眼にする限り少ない。ひ弱で積極的に乏しい男性が、とくに若い人に多いという気がする。21世紀の日本は「文化発信の基地」として世界に注目される存在にならないといけないと思うし、その方面で積極性を発揮して欲しいものだ。
by katorishu | 2007-12-24 00:37 | 映画演劇