薬害肝炎救済法が成立してよかった
2008年 01月 11日
■薬害肝炎救済法が成立した。よかったと心から思う。病人は「弱者」であり、「弱者」を保護、救済するのが、政治という仕事の最重要課題である。「強者」はほおっておいてもいいのである。健康な者に医療の救いの手が必要ないように。
■取材で病院などに行くたびに感じることだが、病者のなかに「いい顔」をした人が多い。巷で見る人に比べ「いい顔」をした人の比率は数倍高いという気がする。人は己の弱さを知ったときに求心的になり、他者に対して優しくなるのかもしれない。
■自分に甘く他者に厳しい人が多くなっているなか、病者と接触することによって、優しさを取り戻す人も多いのではないか。ボランティアでもなんでもいいから、弱者とかかわりをもって欲しいものである。昔、一種の精神異常者を祈祷師や予言者としてあがめ奉ったことがあったが、恐らく彼らには多くの「健常者」にはない、世間の見方、感じ方が備わっているからだろう。強者こそ、弱者から多くを学べるのだと思う。
■人間が動物と決定的に違うところは、ひとつには言語をもったことであり、もうひとつは弱者を保護することである。弱肉強食の動物世界では、弱者を保護することが皆無ではないにしても自分が生き延びることに精一杯で、他者を顧みる余裕がない。
近頃、比較的余裕のある人が、弱者を顧みないケースが目立つが、これは言葉の本当の意味で「文明」とは遠いことでヒューマニズムとは相いれない。
■本日、北千住で脚本アーカイブズの会議。これまで捨てられた脚本・台本を保存管理して「社会還元」していくシステムを構築する試みであり、今年が正念場になるだろう。
某有名大学が提携協力をしてくれそうなので、大きく一歩を踏み出せるかもしれない。ボランティアで関わっているのだが、いろいろ学ぶことも多い。定年後、年金生活にはいり、遊ぶことばかりに情熱を燃やしている人もいるようだが、すこしのエネルギーでも結構なので、ボランティア活動にさいてもらいたいものである。そうすればきっと「より良い顔」になる。