日本の危機、毎年80万人が減っていく
2008年 01月 19日
■寒い日が続く。日本の内外の「光景」も肌寒い印象のものが多く、心があたたかくなるニュースや知らせは極めて少ない。路地や公園などに子供があふれいた時代は、こういうことはなかった。なにより子供には「未来」があるし、子供が多ければ多いほど「未来」も多くなる。それが社会の明るさにも通じたのだが。
■今後、日本は1年間に80万の人口が減っていく。世田谷区や鳥取県の人口が毎年減っていくわけで、これが社会のいろいろなシステムに影響しないわけはない。
歴史を読めば一目瞭然だが、人口が減っていく民族、国家で繁栄したところは皆無である。時間の早い遅いの違いはあるものの、人口減は民族や国家の活力を損なうし、やがて「亡国」に至る。
■「このままでは日本は経済大国からすべり落ち貧乏国になる」といった意味のことを、太田弘子金融大臣が国会で演説したそうだ。これに対して霞ヶ関の官僚など「へんなこといって」とせせら笑っているといった情報が漏れ聞こえてくるが、未だ「親方日の丸」のもとで暮らしている人たちには、危機感は他人事にしか感じられないようだ。
■ときどきテレビで「地方の情報」が流れる。警察がらみの「事件」は別にして年中行事などの「風物」「情景」が映し出されると、ほっとする。まだ日本にはこういう光景、情景が残っていたのかと思う。数字で表されないものを勘案すると、地方のほうが「豊か」という印象をもったりする。
■ただ、現実の生活に関連する「経済」では、地方の傷み方は相当らしい。このところ、東京をのぞくと、せいぜい横浜あたりまでしか足を運んでいないので、この眼で「地方の現状」を見たわけではないが、報道などでシャッター通りに象徴される荒涼とした光景を知らされる。恐らく未来に希望を抱かせる子供の数も都会以上に少ないのだろう。
■大きい政府から小さい政府といって「改革」の旗をふった「小泉改革」だが、小泉政権ができてから、じつは政府の借金(国債など)は減るどころか、250兆円も増えているという。それなりの理屈がつき、理解できる支出もあるが、どこに消えてしまったのかわからない税金も多い。
仮に政権交代が起これば、社会保険庁が犯した膨大な無駄遣いの類が、一部ながら表面化してくるはずである。「族議員」と税の関連も、今より明らかになる可能性が強い。少なくとも、領収書などがいらない60億とも80億ともいわれる内閣官房費の「使われ方」の一部でも露呈すれば、新たなスキャンダルが出てくるだろう。
■政権交代をしたからといって、これだけ傷んでしまった国や社会が、すぐに良くなるわけではないが、諸々の問題をこのまま曖昧にして葬りさるよりはいい。その牽引力になるべき小沢民主党党首だが、あまり評判がよろしくない。思い切って長妻議員を党首にしたらどうか、などと思ったりする。テレビによく顔を出す政治家のうちで、もっとも信頼感、清潔感、正義感の強い一人――という印象を、少なくともぼくは長妻議員にもつ。
■仮に次の総選挙で、民主党が多数派をしめ「民主中心の政権」ができた場合、小沢党首は一歩後ろにさがって、長妻議員のような人物をもり立てて首相にすれば、政界に「清心な風」がふき、世の中がかわるという気分を多くの国民がもつのだが。(ま、空想の領域ですが)。
とにかく、町に子供の姿があまり見られない社会というのは、よろしくない。テレビやゲーム機など室内で「楽しく過ごせる」機器が普及したこととも関連しているのだろう。
■機器(きき)の過剰な普及は危機(きき)の普及につながっているようだ。本日、午後、近くを散策したが、下校時間をすぎていることもあってか、ついぞ子供の姿を一人も見なかった。寒さなど平気で飛び回りはねまわるのが、子供であり、動物のように群れて遊ぶなかで「人間」が鍛えられていくのだが。
横浜の伝統あるアマチュア劇団「かに座」のために執筆している戯曲が、思ったより手間取っている。アマチュア劇団だからといって、手は抜かないつもりだ。いずれ、プロの役者に演じてもらいたいので。今月いっぱいには必ず仕上げますので、もし関係者の中でこのブログを読んでいる方がいらっしゃったら、ご了解ください。かなり面白くなる「はず」です。