コラム


by katorishu
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 サンデー・プロジェクトを「聴く」

 3月22日(日)
■テレビは、しばしば携帯ラジオで「聴く」。本日、コーヒー店で仕事の息抜きにテレビ朝日の「サンデー・プロジェクト」の最初の部分を聴いた。「小泉改革」を強力に推し進めた竹中平蔵氏がゲストで出ていた。最近の株安と世界経済、とりわけアメリカの金融問題にふれていた。サブプライムローン問題に端を発した株安では、日本の株の下落率はアメリカの3倍であるという。「日本株は安心して売れると海外の投資家は話してます」と竹中氏。それだけ日本株の評価が低いとのことだ。

■その原因として、特に福田政権の無策を竹中氏はあげる。小泉政権のときは、株が12000円台から8000円台にあがったのに、今、また元にもどってしまった。世界の投資家に向けて「日本は変わった」とのメッセージが必要で、具体的には例えば羽田空港を3倍にして24時間発着可能な「国際空港」にすべきと、氏は強調していた。

■「小泉・竹中改革」の中にも見るべき点もあったとは思うが、「金融資本」「市場経済」という物差しでしか世界を見ていないという点が気になる。エコノミストは経済に格別関心をもっているので、「儲かるか」「儲からないか」で物事を判断するのは、わからないでもない。しかし、どうも「アメリカ原理主義」、それもネオコンの金融至上主義の色合いが濃厚で、その尺度でしかものを見ていないエコノミストが多いという気がする。

■テレビというメディアはもっと多様で可能性のあるメディアであったはずだが、「数字(視聴率)」というひとつの物差しで価値判断をしてきたところに、現代のような「劣化」が生まれた。経済という物差しだけで人間社会の価値について判断をくだすと、何かが抜け落ちる。それはそれとして、本日のサンデー・プロジェクト「言論シリーズ第8弾」で、検察の言論規制の動きについて特集していた。情報源の医師を逮捕という異例の事件などに触れていたが、テレビでできるぎりぎりの突っ込みをしており、好感をもてた。

■どうも最近、警察・検察などの規制の動きが露骨になってきた。国民を一色に染め上げたいのだろうか。異論反論、さまざまな意見があってこそ、社会は活性化するし、面白い。民主主義にとって言論の自由ほど大事なものはない。これを力で規制する権力の動きにはいくら過敏になってもなりすぎることはない。引き続きこの種の特集を積極的に組んでもらいたいものだ。
by katorishu | 2008-03-23 22:39