コラム


by katorishu
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坂本九の「上を向いて歩こう」は昭和の「華やぎ」を象徴している 


 3月25日(火)
■ようやく春らしい天気になった。こういう日に外を歩かない手はない。昨夜激しい下痢に見舞われたので、どうなるかと思っていたのだが、寝起きの体調はそれほど悪くはなかった。富山の置き薬の赤玉なんとかという赤い丸薬を飲んだのが効いたようだ。
 毎度のように携帯パソコンに資料類を詰め込んだ重いリュックを背負って大井町まで歩き、さらに電車で品川駅、大崎駅にいったりして、昼間ずっと外で「仕事」。書きあぐんでいたラジオドラマもなんとか明かりが見えた。今月末には完成予定。連載その他もろもろあるのだが、まずは一息つく。

■大崎駅周辺も様変わりしていた。ゲートシティの反対側にインテリジェントビルができ、モトローラ等のIT企業が多数はいっている。「think・park」という名の高層ビルで一階と二階が飲食街になっていて、その一角にあるコーヒー店で仕事をした。昨日のブログで記した倒産予備軍の中小零細とはちがって、品川や大崎駅周辺の高層ビルにはいっている事業所は「時代の先端」をいく企業ばかりで、雰囲気も違う。

■双方とも現代日本を象徴しているのだろう。富山の置き薬をいまだに重宝して使用している身としては、時代の先端をいくビル群より、その谷間で生き残っている個人商店や零細オフィスなどにエールを送りたい。こういう時代、「勝ち組」「強い者」「権力者」等の側につくというのが、生き残りのための有効な手段のようで、そうしている人が多いのだが、「見かけによらず(?)」へそ曲がりなので、逆の立場の人に加担したくなる。

■ただ、なにぶん非力そのものの個人なので、どうすることもできないが。「石原銀行」への400億円の都税注入問題が批判のまとになっている。銀行からの借り入れを見放された中小零細に無担保融資を……という当初の設立目的は決して悪いものではないと思うのだが。日頃歯切れのいい口調で語る石原都知事、どうも歯切れが悪い。都政をチェックする議会があまり機能していなのも気になる。新銀行の経営者を議会に参考人聴取することなどもやっていない。
 公明党がキャスティング・ボートを握っているということだが、態度が曖昧である。まだ表に出ていないことで、「重大なこと」「不都合なこと」があるのでは……などと思ってしまう。この銀行が仮に破綻したら、そのとき噴出するに違いない。

■ユーチューブで坂本九の世界的なヒット曲「上をむいて歩こう」のコンサートでの歌唱を見た(聞いた)。スキヤキというタイトルも含め世界で1000万枚以上レコードが売れたそうだ。昭和36年、ヒットチャート一位とスーパーされている画面を見ながら、「日本もあの時代が一番良かったのでは」とあらためて思ったことだった。
 歌のなかに時代の「華やぎ」が色濃く出ていて、「夢」や「希望」が垣間見られる。人口の圧倒的多数が「若かった」ということだ。活力がありエネルギーがあった。「昔は良かった」などというと年寄りの証拠などといわれそうだが、今よりずっと貧しかったけれど、ずっと生き甲斐があったと、確信をもっていえる。「上を向いて歩こう」の曲に時代の空気が象徴的に現れている。やはり若者が多くならないと社会は死んでしまう。
by katorishu | 2008-03-25 22:40 | 文化一般