コラム


by katorishu
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今の日本に必要なのは「蘇生術」

12月2日(火)
■午前中、渋谷で仕事の打ち合わせのあと、例によって喫茶店で仕事。途中、深く眠ってしまった。電車の中の仮眠など心地よいが喫茶店でのうたた寝も心地よい。夕方、教え子で「物書き」を目指しているH嬢にあい、「試み」の仕事を依頼。若い人が希望をもてる社会や仕組みをなんとか構築したいものだ、と日頃から考えている。個人でやれることなどタカが知れているが、すこしでも人の役にたつことをしたいものだ。

■株価の下落はとまらず、景気は底なしである。今年はまだ序曲であることを考えると、来年は相当深刻で懸念される事態になりそうだ。毎度記すが、こういう危機の時代に、愚かな指導者しかもてない国の不幸を思う。[挙国一致内閣]が今こそ必要という声があるが、それほど日本は非常事態である。大胆な手術をほどこせば蘇生することが可能な状況のうちに、「蘇生術」を行うべきである。

■一口に「蘇生術」といってもそう簡単ではないが、はっきりしていることは圧倒的多数の国民が「幸福感」をあじわえるようにすることである。それは物的豊かさを意味しない。生き甲斐こそ人にとって最も大事なことなのではないのか。多くの人が生きるにあたいする社会システムとはどのようなものか、多くの人が真剣に考えるべき時にきていると思う。

■社会主義、共産主義がまず破綻し、資本主義が「大勝利」とアメリカを中心におごり高ぶった人たちが喧伝したが、この仕組みも破綻に向かっている。共産主義も資本主義も根っこは同じで、「物質礼賛主義」であり、世の中は「進歩する」という史観に支えられている。両者とも合理主義、功利主義である。それが、21世紀の早い時期に破綻してしまった。

■「古い」とか「封建的」とかいって葬ってきた「先人の生き方」や、「未開民族」「遅れた非文明人」の生き方こそ参考にし、真剣に学ぶ時にきている、と思う。彼等は何より自然と調和し、自然を畏怖して生活を営んできた。謙虚であり謙譲の美徳もあり、「自分だけよければいい」という功利主義的考えかたとは無縁である。これこそ、文明に毒された人間が失ってしまったものである。「非文明的」とみなしている人たちに謙虚に学ぶ。このへんに混迷と危機から脱する糸口がありそうである。
by katorishu | 2008-12-02 23:47 | 文化一般