2010年 07月 03日 ( 2 )

 7月3日(土)
■本日、予定表には映画『ザ・コーブ』を見ることと記されていたが、横濱での上映に際し、県警が警戒にあたっているとのニュース報道があった。恐らく渋谷のイメージ・フォーラムでもいろいろな人がやってき、マスコミもくる可能性が強い。で、気持ちが萎えてしまい、かわりに渋谷のル・シネマで上映中の映画『アルゼンチンタンゴ伝説のマエストロたち』をカミサンと見た。

■脳が疲れていることもあって、気楽に楽しめるのがいいと思っていた。かつて活躍したタンゴの歌手やバンドネオン奏者、ピアニスト等々、「マエストロ(名人)」たちが公演をうつに至るまでの懐旧話を中心に編集したドキュメントで、最後は劇場での発表となる。タンゴ好きにはこたえられない映画であり、観客は8割の入り。中高年の男性が目立った。

■今タンゴは下火のようだが、一世を風靡した時代もあった。ぼくがタンゴに興味をもったのは40年以上も前のことで、こんなにも哀愁に満ちた音楽があるのかと驚き、以来やみつきになった。生来音痴なので、音楽は鑑賞者にすぎないが、タンゴのLPやSPをかなり買って蓄音機といったほうがいい再生装置で聞き「いいなあ、タンゴ」などと溜息をついていたものだ。スペイン語を専攻すればよかったと、悔しい気持ちになったものだ。

■文学でもガルシア・マルケスなどラテン系の文学に興味を覚える。アルゼンチンは経済で国家破綻した国で、経済的にはきわめて厳しい状況にあるが、国民ひとりひとりはきわめて楽天的で「アスタマニアーナ」(なるようになれ)の精神で明るく生きている。サッカーでもアルゼンチンを率いる監督のマラドーナのパフォーマンスは周知の通りである。日本人も見習う点が多い。

■アルゼンチンにつづいてギリシャが経済破綻したが、この波は日本を襲うかもしれない。そうなったとして、庶民レベルではアルゼンチンの国民のように陽気に、深刻にならずに乗り切って欲しいものだ。アルゼンチンには1度もいったことはないが、この映画を見て行きたくなった。

■終わって、本当はスペイン料理店にでもいけばいいのだろうが、結局ガード下の「さつま」という薩摩系の飲み屋にいった。知る人ぞ知る店で、出てくる料理がすべて手作りであるのが、いい。
 明日は久々に札幌。北のシナリオ大賞の贈賞式があり、そこで1時間ぐらい話をして欲しいとのこと。「感動をどう仕掛けるか」というタイトルで話すことにした。同時にドラマの制作の現状についてシビアな観点から話したい。夜に蝦夷料理が食べられるかもしれない。それを楽しみに北海道に飛ぶ。
 
by katorishu | 2010-07-03 22:25 | 映画演劇
 7月3日(土)
■参議院選挙の投票日が近づいてきた。どういう結果になったとしても、ここまで傷んだ経済がそう簡単に回復するはずもなく、経済の停滞にともなう他の『劣化現象』が良くなる可能性もすくない。バブルをつくりそれを崩壊させ、さらにその後の対策が後手後手にまわった「愚策」の数々。そのツケが今も尾をひき、財政破綻の状況をつくりだしている。9割は当時の指導層に責任があるということを、国民は忘れないほうがいい。

■つねに「売らんかな」の姿勢で扇情的に報道するマスメディアにも大きな責任がある。戦前、日清、日露の戦争のころ、新聞は過激に「愛国心」を煽りたて、「敵」を誹謗すればするほで部数をのばした。そのほうが売れるからである。売るために「反戦」から「好戦」に露骨に宗旨替えした新聞もある。この傾向は今もかわらない。経済が疲弊して、経営が危なくなると、とにかく「売れる」が至上命令であり、「売れればなんでもいい」といった事態になりつつある。

■こういうメディア、およびメディアにナーブに踊らされる「マス」というものの実態を、管政権はあまり知らないのではないか。10%の消費税を口にしたことである。巨額の赤字をかかえた国家財政を立て直すためには、消費税の導入もいずれ必要だろうが、その前にやるべきことがたくさんある。まず民間の平均より遙かに高くなっている公務員、およびこれに準じる組織の職員の給料減をうちだし、国、県、市町村レベルの議員の数の削減、歳費を2割ほど削減すると明確な意図をだした上で、それでも必要なら消費税で……とでもいえばいいのに、まず最初に10%の数字をうちだした。管直人イコール増税――という図式ができてしまうのである。ただちに増税に踏み切るわけではないにしても、この大不況に追い打ちをかける事態、と「マス」は実感し、マスメディアも「売るため」に「マス」に追随し、あおり立てる。

■財政再建は急務だが、それを担当する指導層が、自分の身をきらずに、第二次大戦のあとではないが、「一億総懺悔」のように、みんな「悪かった」のだから責任をわけあいましょう、といっても納得する国民は少ない。「弱者」に対して消費税を還元するというが、どうやってその分をカウントするのか。10%の数字をかかげること事態、マスとマスメディアの「実態」について無神経すぎる。財務官僚とアメリカの対日政策関係者の策にはまったという見方があり、これも真実味をもっている。

■いずれにしろ、財務官僚の書いたシナリオにのった政策を展開するようだと、日本の旧弊は改まらず、衰弱の坂をころげおちていく。山勘だが、参議院選挙の予想をひとつ……民主党の獲得議席は55。与野党伯仲になったら、政策はほとんど何も決まらず、旧来通りの「官僚政治」がつづく。官僚の中にも「改革」への強い意志のある人はいるのだが、組織全体となると恒に「守り」の姿勢になり、果敢にチャレンジすることをさける。これでは日本は良くならない。いっそ、早く堕ちるべきところに堕ちたほうがいい。これではだめだ、と多くの国民が心から思って「現状打破」を打ち出したとき、日本は変わるはずだが……不幸なことに「高齢化」が進みすぎている。「高齢者」で「現状打破」の心意気をもっている人は、ほんの一握り。かくて、日本は「過去形で語られる国」に次第に近づいていく。
by katorishu | 2010-07-03 11:57 | マスメディア